ドラゴンクエストVII の魅力について~実は結構好きな作品~
今まで私はドラクエシリーズの中でもお気に入りである天空シリーズについて、様々な視点から魅力を語っていきました。
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次は何の作品の解説をしようか少し悩みましたが、4,5,6と来ましたし、個人的に結構好きな作品の1つなのでドラゴンクエストVII エデンの戦士たちを解説することにしました!
DQ7はシリーズの中でも賛否が分かれやすい作品ですが、一つ一つのストーリーの印象深さや、転職システム好きとしては職業の豊富さなど私が好きになりやすいポイントを的確に押さえていて好きな作品となっています。
好きレベルで言うとDQ4や5には及ばないですが前回解説したDQ6と同等か、それ以上といったところです。もしDQ7をプレイしようか悩んでいる人は是非私の解説を参考にしてください!
目次
遊べるハード
「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」はPS、3DS、スマホで遊ぶことができます。3DSにリメイクされる際にかなり全面的なリメイクがされました(主にグラフィックやシステム面の変更で、ストーリー自体は特に変わっていません)。スマホ版は基本的に3DS版に基づいています。
特にこだわりがなければ3DS or スマホ版がよろしいかと思います。グラフィックもリアルですし、3DS版ではBGMがオーケストラ音源という素敵な仕様になっています。
石版集めやなぞの神殿の謎解きといった人によっては苦痛に感じやすい要素も楽になっていますし、純粋にゲームやストーリーを楽しむことができます。その点も踏まえると、特に初めて7をプレイしようと思うのであれば3DS版やスマホ版の方がオススメできますね。
私の好きなところ、魅力
どこか陰のあるストーリーと、人物描写の細かさ
DQ7はストーリーが暗すぎるとか鬱になるとかよく言われています。私は結構シリアスな展開であったり、複雑な事情を含んだ感じのストーリーがかなりの好物なのでDQ7の世界観にはどっぷりのめり込むことができました。
まあ、それでもレブレサック村長のある行動にはリアルに「はあ!?」となりましたがw
よくよく考えてみたら村長がカッとなる気持ちも分からなくもないんですけどね。本当にどうしようもないのは村長よりも石碑を作り替えた村人達です。DQシリーズ全体を見渡してもここまで後味悪い話は稀なのでどうしても悪印象不可避ですけどね…
そんなレブレサックの話は置いておいて、特に好きなイベントは以下の3つです。
・ウッドパルナ
1番最初に訪れる村ということもあって印象的。初回プレイの時はとにかく村を救いたかったので遠慮無くボスをボコボコにしましたが、それでもどこかやりきれない思いになりました。人間の醜さがもろに出ていて好きな話です。
・フォロッド
現代の世界のおけるエリーのイベントが良い。ベタと言えばベタなストーリーかもしれませんが、ラストの「ありがとう」は仲間会話の反応も相まってグッと来ますね。
・グリンフレーク
初プレイ時は登場人物が多いわ人間関係がドロドロしているわで段々何の話をしているのか分からなくなったのも今となっては良い思い出です。初訪問時に加えて30年後の様子も描写されるので、数多くある町の中でも特に1人1人の心情の掘り下げが丁寧で完成度が高いです。
他作品と比べてドロドロした話が多く、後味の悪い話も少なくないので万人受けは良くないのでしょう。その反面7のストーリーがとても好きという人だって何人も見かけてきましたし、クオリティーの高さは保証します。
子供の頃プレイしたという人は、大人になって久々にプレイするのもオススメですね。以前とは感じ方が変わる場面もあると思います。
実は凄くスケールの大きい物語である点
短編集みたいなストーリーの本作ですが、主人公達の手によってどんどん大陸が復活していくというストーリーなので実はとてもスケールが大きい話です。他に見かけないストーリー展開と言うこともあって面白いと思います。過去の世界が意外なところで繋がっているのも魅力です。
特にハーメリアで出会う老楽師の正体を知ったときはまさに「おおっ」という気持ちでした。
何よりモンスターが出ないとても平和な世界だと思っていた現代の世界が、実は…というある種のどんでん返しには舌を巻きました。
個々のストーリーも、物語の核となるストーリーも楽しいという点が、私がDQ7を評価する大きなポイントとなっています。
ラスボスに関しても、シリーズの中でも結構好きな部類に入ります。ここまで世界全体に影響を及ぼしているパターンも珍しいです。早い話が本作の全ての元凶なので、本当に魔「王」という感じがして魅力的ですね。
そんなスケールの大きい物語なのに、EDで「いつもの日常の様子」に戻るというのも中々味のある締めくくりだと思います。DQ7って不幸になる人は多数見かけますけど、主人公自身は歴代主人公勢の中では珍しく幸せな方ですからね。
仲間キャラクターについて
仲間キャラクターについてですが、DQ4~6に比べると少ないです。また、「7はキャラに魅力が無い」という意見もよく見かけます。その気持ちはまあ分からんでもないですが。
但し私はガボがかなり好きなキャラなので、ガボの可愛い仲間会話を楽しめるという点だけでも7の仲間キャラは良かったなあと思います。パーティー加入期間も1番長いですし。
ガボは元白オオカミというシリーズでも唯一無二の個性を持っているキャラです。なぜこのようなキャラクターが仲間にいるのかを考えたのですが、人間味溢れるストーリーが多いDQ7だからこそなのかなと思いました。
人間の世界について知らないことだらけだった彼が村人達の様子を見ていくことで、どんどん知識を身につけていったり心情を理解していきます。仲間会話を見るとストーリー序盤と終盤の違いは明確です。元動物の視点から観察できるガボは、本作に必要な立ち位置のキャラだったと思います。
マリベルもしっかりと作り込まれたキャラです。端的に言えばツンデレなので割と人を選ぶキャラではあるのですが、それでも人気は高いです。マリベルは正直最初の頃は
頭巾被っているし、顔もそこまでタイプではないし、何か微妙…
と思ったりしていましたが、発言が必死にお姉さんぶりたい感じに見えてきて、「良いキャラしているな~」と思うようになりました。あと(3DS版以降限定ですが)職業ごとに変化する衣装が全体的に可愛いです。賢者や天地雷鳴士といった呪文系は勿論のこと、バトルマスターや魔物ハンターみたいなワイルドな衣装も意外と似合う!
他キャラについては正直あまり印象に残っていません。キーファは中盤になる頃にはどうでもよくなるし、メルビンやアイラはただでさえ加入が遅いのに真面目なキャラなので余計印象に残りにくいです。
アイラは見た目的にはマリベルよりも断然タイプです。職業ごとのコスチュームの着こなしも良いですし、ヘソ出しルックも似合います。それだけにキャラが薄いのは残念でした。
残念な点も述べてしまいましたが、何だかんだDQ7の仲間キャラは好きです。シリーズで初めて仲間会話システムが搭載された作品なので皆さんも是非積極的に利用してキャラの魅力にはまりましょう!
DQ6の転職システムは本作でも健在
DQ6で登場した、職業に就き様々な呪文・特技を覚えていく形式の転職システムです。これが結構好きなので7でも登場したのは嬉しかったです。しかも前作よりも職業数が増えていますし。
特徴として(普通にプレイしている際はそんなに要らない存在ですが)、モンスター職がとにかく多いです。そのため転職のやりこみは間違いなくDQ6以上と言えます。
カジノでラッキーパネルというゲームがあったり、モンスターパークもあるのでやりこみ好きにとって本作は結構美味しい作品です。
シリーズの中でもボスは全体的に強いので育成のやり応えがありますし、戦闘も楽しいです。
尤も職業間の強弱バランスの悪さは相変わらず、というかむしろ悪化していますが…詳細は欠点の項目にて。仲間キャラが少ないため、あまり寄り道しないで順当に強い職業に絞って育成しがちなのも逆風となっています。
お気に入りBGMが沢山ある
DQ7は好きな曲が沢山あります。私の「BGMが好きなドラクエシリーズ」のベスト3に間違いなく入りますね。
通常戦闘曲「血路を開け」もDQ4や5ほどではないですが、通常戦闘曲の中ではかなり好きな部類に入ります。特にオーケストラ音源はイントロの迫力が段違いで素晴らしいです。個人的にDQ8以降の通常戦闘曲に好きなものが少ないのでそろそろ好きなタイプの戦闘曲が欲しいところです。
自分のお気に入り曲を挙げていきたいと思います。好きな曲が複数あって厳選するのが大変でした。
1.失われた世界(過去世界のフィールドBGM)
DQ7と言えばこの曲、そしてDQ7の人気曲と言えばこの曲、というイメージがあります。「哀しみの日々」は曲調があまりに暗すぎて気が滅入ってしまうのですが、「失われた世界」はそんなにどんよりしていないし、美しい曲なので好きです。
全DQのBGMの中でもトップ10に入るほどお気に入りでよく聞いているBGMです。切ないけれど、どこか前に進もうという気持ちになるからフィールドBGMとしてマッチしているんでしょうね。
2.スフィンクス
魔王像、大地の精霊像で流れるBGMです。聞く機会はそんなに多くないですが、一度聞いたら忘れられないくらいインパクトがある曲です(特に中盤の部分)。
スフィンクスらしく異国情緒溢れる曲調が魅力的ですが、不気味な雰囲気も醸し出していてこのバランスが絶妙です。3のピラミッドの曲も良いですが、よりダンジョンらしさがあってドキドキするのはスフィンクスの方でしょう。
3.哀しみを胸に
全滅時や悲しいイベント時に流れるBGMです。シリーズに切ない曲は色々あっても、ここまで涙不可避な曲というのも中々ない気がします。上述したエリーのイベントで流れるので余計好きというのもあります。
DQ11でも使われていますね。DQ7好きにとって多用されているのは嬉しいけれど複雑な気分でもあったり…(しかもDQ11の中でも指折りのビッグなイベントでよく流れる)曲自体はすごく状況に合っているんですけどね。
4.魔塔の響き(塔BGM)
DQシリーズの塔BGMの中ではこれが1番好きです!DQシリーズの塔BGMはリズミカルだったり、不気味だったり、神秘的だったりと幅広いバリエーションがありますが、7は「不気味+神秘的」という感じで、中々他にない曲調だと思います。
PS版の音源では階層によってちょっとずつ曲が変わるという演出が秀逸ですね。3DS版ではその演出はなくなってしまい、メドレー形式になりました。でも物静かな雰囲気からどんどん恐怖を煽る雰囲気になるのは3DS版でしか味わえないですし、このバージョンもかなり好きです。
5.凱旋そしてエピローグ(エンディングBGM)
個人的にDQシリーズの中でも特に素晴らしいエンディング曲です。DQ7はボリューミーな作品である分、ED曲はそれ相応の名曲を期待してしまいますが、その期待に見事に応えてくれます。EDの締め方が好きと記載しましたが、このBGMが好きゆえの相乗効果というのもありそうです。
前半は勇ましく、後半は切なく。ガラッと変わるけれど、どちらも大好きです。このメリハリがED映像とも見事にマッチしていてたまりません。
DQ7は暗い作風ゆえに悲しげなBGMが多いとよく言われます。実際それは間違いないですが、村や海など安らげたり明るい感じの曲調のものも沢山ありますし、ずっと暗い訳ではないのでそこは安心してください。
個人的に好きではないところや欠点など
私は世間一般ほど嫌いな点はないのですが、まあ好き嫌い分かれるのも仕方ないのかなあという感じはします。魅力の項目に記載したストーリーや仲間キャラだって好きではないという人をよく見ますし。
シリーズの異端児扱いされているので、DQシリーズをいくつか触れた後にプレイすることをオススメします。
「EDまでに時間がかかりすぎ」という意見について
DQ7はよく「ボリュームがありすぎるのが嫌い」的な意見が見られます。私はボリュームがあるならたくさん遊べるじゃんという考えを持っていましたが、実際にプレイしてみるとそう感じる人が多いのも分かりました。
DQ11だってプレイ時間は相当長いですが、私はそこまで長いなあと感じることはありませんでした。7は終盤までひたすら「過去の世界に行く→現代の世界に行く→集めた石版で再び過去の世界に行く」の繰り返しなので、
これいつまで続くん?
と思いました。ボリュームがあるというのは魅せ方を間違えると欠点になるんだなということを実感した瞬間でした。
そもそもゲームを始めてから初戦闘まで1時間以上かかるという時点でDQ初プレイの人をバイバイさせる気満々です(笑)。
まあ石版集めとかストーリー展開とかその辺りをしっかりと把握できた2周目以降はそこまで気にならなくなった点なので、以下に述べる欠点よりは改善してほしい要素ではありません。
とにかく馬車を用意してほしい
4人パーティーなのに最終的にパーティーにいるメンバーが5人なので誰かを留守番しなくてはいけないというなんだか可哀想なシステムになっています。
もし全員しっかり育成したいと思う人ならばこのシステムには尚更腹立つでしょう。天空シリーズの頃のように、素直に馬車が欲しかったです。そのせいで最終決戦前、私は誰をパーティーから外すのか悩む羽目になります。
戦力的にお荷物になりやすいのはマリベルとガボなのでどっちかかなあと考えるけれど、ガボは好きなキャラだし、ずっとパーティーにいるから職歴的にも勝っているし…という感じになってマリベルを留守番にさせがちです。
マリベルは初期メンだし、主人公と幼馴染みだから思い入れは1番深いんだけどね…
あとの2人は戦力的にも強いし、メインのストーリーへの関わりも深いのでパーティーから外すとなるとなんか違うよなあと感じてしまいます。
最悪入れ替えられなくても良いから留守番しているキャラにも経験値や熟練度が入ってほしいですね。次のリメイクに向けて要望します!
職業・特技のバランスはやっぱり微妙
DQ6でも好きではない要素として書いたバランス面ですが、本作ではそれが改善されたかというと微妙です。何なら悪化しているとすら感じます。
まあ前作でバランスブレイカーだった即メラミは改善されましたが。そんなことより問題なのは呪文職の立場が危なくなったところだと思います。前作ではベホマラーとザオリクが賢者にならないと覚えられなかったため、呪文劣勢のゲームバランスであっても何人か賢者にならざるを得ませんでした。
ですが本作ではこれらの回復呪文は別に賢者じゃなくても習得できます。ゴッドハンドで習得できてしまうのは大きいです。
というかハッキリ言ってゴッドハンドが強すぎます。物理優遇のゲームバランスなので物理最強という時点で価値があるのに、下級職たった3つで就くことができるし、回復呪文も覚えられるし。MPは下がってしまいますが10%ダウンするだけなのでそこまで欠点でもありません。
ゴッドハンドが強すぎて呪文最強職の天地雷鳴士は空気。前座の上級職であるスーパースターが前作ほど役に立たないのも痛いです。そしてトドメに天地雷鳴士の適性が1番高いマリベルは離脱期間が長いので、天地雷鳴士になる前にラスボス戦になりやすいという…
こうしてみるとやはりゲームバランスは悪いと言わざるを得ないでしょう。相変わらず消費MP0で打てる特技多数ですし。こう思うとDQ8以降は本当にゲームバランスが良くなったなあと思います。ゼシカやベロニカといった魔法使い系キャラが弱いと言われることもなくなりましたし。
まとめ
DQ7についてストーリー、キャラ、システムなど様々な角度から解説しました。今回の記事に備えてDQ7の好きなところを改めて振り返ったのですが、やはりDQ7は好きですね。
もっと欠点あるのかなと思いましたが、思ったほどDQ7の嫌いな要素は少なかったです。勿論人によって感じ方が異なるということはご理解ください。
「好きな人はとことんハマる名作」という感じでしょうか。サクッと終わるようなゲームではないので、時間を掛けてじっくりプレイできるようなゲームを探している方はプレイしてみましょう!