独特な世界観と高い難易度が印象的なドラゴンクエストVI について解説
今までドラクエ4、5の魅力をまとめた記事を出したからには、天空シリーズ第3弾であるドラゴンクエストVI 幻の大地の記事を書かないわけにはいかないでしょう。
(4、5の記事はこちらをご覧になってください→ドラゴンクエストIV 導かれし者たちの魅力について – ルルアリーのお気楽ブログ (mypaselife.com)、シリーズの中でも特に人気のドラゴンクエストV 天空の花嫁について解説 – ルルアリーのお気楽ブログ (mypaselife.com))
DQ6は4や5に比べると人気面では劣ります。私も6は気になる難点がいくつかあるため「1番好き」という作品ではありません。しかし魅力的なキャラクターや育成しがいがある転職システムなど、気に入っている要素も色々あります。そのためDQ6はシリーズの中でも割と好きな部類に入る作品です。
そんなDQ6について様々な角度から解説していきたいと思います!
目次
遊べるハード
「ドラゴンクエストVI 幻の大地」はSFC、DS、スマホで遊ぶことができます。DS以降では仲間モンスターシステムが削除(正確に言うならば仕様が変更)になったり、初リメイクの割にあまり追加要素が無いことによりリメイクの評価はあまりよろしくないです。
ただし個人的にはDSやスマホの方が遊びやすい工夫がされているし、仲間会話もあるしオススメです。
私が「仲間モンスターシステムがあまり好きではない」という事情もありますが…グラフィックもDS以降の方が綺麗ですし無理にSFCにこだわる必要はありません。
私の好きなところ、魅力
世界を冒険しているという感触はシリーズでも特に強い
DQ6の最大の特徴と言えばやはり「2つの世界を行き来する」という部分だと思います。
じゃあその分1つの世界が小さいのかな?
と思いきや、全然そんなことはありません。なので実質他作品の2倍世界があるようなものです。
乗り物の数がシリーズ最多なのもポイントです。船や空飛ぶ乗り物(今作ではペガサス)といったお馴染みの乗り物は勿論のこと、ひょうたん島や空飛ぶベッドといったユニークな乗り物も登場します。やはりRPGで新しい乗り物を入手するときってわくわくしますよね。
他の大きな特徴は、マーメイドハープ入手後は自由度が大幅に上昇するところです。海底の世界が登場するのでただでさえ広いマップが更に広がります。
伝説の武具の収集順番は順不同であり、好きな順番で広大なマップを冒険して回収していきます。ロトシリーズのような、自由度が高くて冒険するわくわく感がある作品が好きなプレイヤーには特にオススメできます。
ただ自由度が高いせいでガンディーノには行かなくてもクリアできてしまったりするのでそういう点でストーリーの魅力が少し削られてしまった感がありますが(ガンディーノはあるキャラの故郷であり、町の人達から重要なエピソードも色々聞けるのですが、ストーリー上では深く掘り下げされません)。
現実の世界と夢の世界を比較してみるのが面白い
DQ6をプレイする際はなるべくたくさんの町の人に話しかけてみることをおすすめします!というのも町の人と話すことで現実の世界と夢の世界との繋がりをより一層楽しむことができるからです。これも上述した「冒険している感触」が出ている部分だと思います。
分かりやすい部分で言うと最高の鎧を作りたい武器屋が、夢の世界では精霊の鎧を売っているといった感じです。
他にもぴちぴちギャルになりたいお爺さんがダーマ神殿にもいたり、墓参りしている男性が現実の世界では犬だったりと興味深い要素が随所に見られます。
冒険している最中、
現実の世界と夢の世界がごっちゃになる!
という意見もよく見ますし、私もよくなりました(笑)。DQ5まではだいぶ王道路線だったのでちょっと挑戦した世界観ですよね。万人受けしないのはよく分かりますが、作り込まれている世界観だし、しっかりと理解できると冒険も面白いです。子供には難しいかもしれませんが是非DQ6の世界をじっくり堪能してほしいなと思います。
転職システムで特技を次々と覚えていくのが楽しい
DQ6は転職によって職業に就き様々な呪文・特技を覚えていくのですが、これが中々楽しい成長システムです。
キャラによって「ハッサンはパワー系」「バーバラは魔法系」などある程度の方向性は決まっているものの、どの職業に就くかによって十人十色な育成ができます!
DQ4やDQ5がレベルアップによる育成のみだったことを踏まえると、この点は大いに評価できます。「全部の特技を覚える」みたいなやりこみもできますね(最も全部の特技を覚えるのは途方も無い時間がかかりますが…)。
みんな同じ特技を覚えられるから無個性になるじゃん!
という意見も定期的に見ますが、ラスボスまでに極めることのできる上級職は1つが普通です。のんびりストーリーを進めたとしても2つ行くか行かないかといったところのはずです。なのでキャラごとの役割分担が大切になってきますし、無個性になるなんてことは無いですね。
今作では特技が消費MP0のものが多いので、バトルマスターやパラディンといった肉弾戦が強い職業中心に就きたくなります。しかし回復呪文として終盤では必須となるベホマラー、ザオリクは呪文職である賢者にならないと使えません。そのため結局賢者を目指すキャラが2~3人欲しくなるんですよね。この辺りが上手いなあと思いました。
今作はシリーズの中でも難易度が高い部類に入ります。雑魚敵も有名なストーンビーストを筆頭に苦戦する敵が多いですし、転職可能後はマシになるとは言え苦戦する敵は多いです。
そしてラスボスはシリーズ最強とよく言われています。裏ボスも非常に強いです。そのため熟練度上げに夢中になってもヌルゲーになるなんてことはなく、戦闘を楽しめるのがありがたいです。
仲間キャラクターについて
DQ6の仲間キャラは他シリーズのキャラに比べると微妙に知名度が低かったり、比較的無難な性格のキャラが多くて少し印象に残りにくい部分はあります。とはいえ、キャラは魅力的な作品だと思います。
私の一推しキャラはアモスです!仲間にしなくてもクリア可能というストーリーに大きく絡まないキャラでありながら、仲間会話の面白い発言の数々により仲間会話システムが加わったリメイクで人気を獲得したキャラです。結婚願望が強いし、妙にいどまじんネタが好きだったり、テリーを一方的にライバル視したりと詳細を書ききれないレベルで発言がツッコミどころだらけです(笑)。
人気が高いキャラは頼れる兄貴分であるハッサンや無邪気で可愛い発言により仲間会話が楽しいバーバラあたりでしょうか。ミレーユとチャモロは真面目な発言が多いのでちょっと存在感が薄い気がします。ミレーユはゲーム内でも美しいとよく言われているほどの美人なのですが、どうもDQシリーズはバーバラのような元気系女子の方が人気な傾向があります。
テリーも貴重なイケメン枠で人気は高いですが、この人気はどちらかというとテリワンをはじめとするスピンオフ作品で得た所が大きいと思います。本編ではパーティーに加入するのが遅すぎて私は正直あまり印象に残っていません。確かに顔はDQシリーズの男キャラで1番好きですが。
総括するとDQ6のキャラは美形なキャラ、性格が良いキャラ、発言が面白いキャラなど万人受けしそうなキャラが充実しており中々満足度が高いです。何気に仲間キャラが若者ばかり(最年長のアモスでも30歳)なのも今作の特徴と言えそうです。
BGMもやっぱりハイクオリティ
個人的にDQ6は4や5に比べて戦闘曲全般の迫力が劣ったように感じてしまいました。通常戦闘曲は今までにない曲の雰囲気が新鮮なのでスルメ曲ではあります。「敢然と立ち向かう」は非常に人気の高いかっこいい戦闘曲ですが、ゲーム内で1回しか流れないのもあってどうしても記憶に残りにくいです。
「じゃあDQ6は音楽がイマイチなのか」と言うと、そんなことはありません。それどころか町や海の曲はシリーズの中でも1,2を争うほど人気が高いですし、他にもシリーズ全般を見渡しても忘れがたい曲が複数あります。
いくつか自分のお気に入り含め挙げていきたいと思います。
1.木洩れ日の中で(町BGM)
DQシリーズの町の曲の中で1番人気が高い曲です。私もとてもお気に入りです。明るい曲調だし、歌いたくなるようなメロディーなので癖になります。このメロディーがアレンジされているカジノ曲「ハッピーハミング」も好きです。賑やかさが良く出ていてカジノ曲の中だとこれが1番好きかもしれません。
2.精霊の冠
感動的なイベントやカルベローナの町で流れる曲なのですが、この曲が流れる場面がどれもよくマッチしていて良いですね。ただ感動するだけのメロディーではない、幻想的な雰囲気を醸し出している曲なのが素敵です。
DQ11では人魚関連のイベント・場所でよく流れる曲ですが、本作では別に人魚のイベントでは流れません。ただ海底王国ムウレアの幻想的な世界によく合っていてやっぱりこの曲が使われる場面にハズレなしという感じです。
3.エーゲ海に船出して(海BGM)
DQシリーズの海の曲はこれと4のツートップでしょう。非常にドラマチックなメロディーで、曲調がよく変わるにも関わらず壮大さと切なさが全面的に出ているのもあって統一感があります。ベタですが中盤の盛り上がる部分が1番好きで、「こんな名作映画に合いそうな曲がゲームBGMとして使われていいのか…?」と思ってしまいます。
4.時の子守唄(エンディングBGM)
今作のエンディングBGMはDQシリーズの中でも珍しいタイプの曲で、それ故に私も忘れられない曲の1つとなっています。端的に言って「重い」です。勇ましいわけでも、感動的なわけでもなく「ああ、ゲームが終わってしまった…」という気持ちになる曲です。途中で盛り上がるものの最後は物静かに終わります。
DQ6は単純明快なハッピーエンドとは言い難い作品なのでこの哀愁漂うエンディング曲は妥当なチョイスだと思います。
調べていて思ったこととしては、今作のBGMはどこか重々しさを感じるということです。城の曲や空の曲も他作品に比べて近寄りがたさ溢れるメロディーですし、教会の曲もDQ8以降のように穏やかな感じではありません。何なら本来は癒やされるはずの村の曲すら少々不穏です。私はこのような曲がかなり好きな傾向にあるので、DQ6の曲が好きな理由として大きいと考えています。
個人的に好きではないところや欠点など
私はそこまで本作の「好きではないところ」は多くはないのですが、「好き嫌い分かれるだろうなあ」と思う要素が全体的に多い作品です。世界が2つあるのも私は好きだけれど、人によってはややこしいという人もいるだろうし。転職システムだってあまり好きではない人もいますし。
ストーリーのややこしさに加え、戦闘の難易度が全体的にかなり高いので初DQにはオススメしづらい作品なのは間違いないかと思います。
ストーリーは一部微妙な部分あり
好きなところで「王道路線から外れたDQ」ということを書きましたが、そのせいで微妙になっている部分もあります。
「○○は○○である!」という感じでハッキリ語られることが少なくて全体的にぼんやりしているんですよね。考察をよくするタイプのプレイヤーならそれでも良いのかもしれませんが、「あとはご自由に考察してください」って感じの話がどうも好きになれないのでDQ6はちょっと肌に合わなかったです。
他ゲームで言うとリトルナイトメアもストーリーが語られないから正直リアクションに困ったんだよなあ
特に本作はただでさえ現実の世界と夢の世界で頭がごちゃごちゃになりやすいので肝心のストーリーが説明不足だと余計に混乱します。まあこの辺りはプレイヤーの好みにもよるのであまり強くは言えませんが…
あと「ガンディーノに関するストーリーをもっと掘り下げて欲しかった」というのは先ほど述べましたが、チャモロももうちょっとストーリー的に出番が欲しかったですね。仲間になるとき以外まともな出番がありません。任意加入キャラのアモスの出番がないのは仕方ないけれど、バーバラみたいに中盤あたりで掘り下げイベントが欲しかった感があります。
まあバーバラもヒロインな割にはそこまで目立っていないけれど…何て言うか全体的に仲間キャラ描写の詰めが甘い気が。
ストーリー中盤から全体的に際立ったイベントが少ないのってやはり自由度の高さのせいなんですかね。それを思うとあんまり自由度が高いのも考え物です。
職業や呪文・特技の全体的なバランスについて
私は本作の転職システム自体はとても気に入っています。ただそれでも魔法使いが1回戦闘するだけでメラミを覚えられるってどうなのよと思わざるを得ません。流石にまずいと気付いたのかDQ7では改善されましたが。
メラミに限らずバランス面はあまりよろしくありません。バトルマスターは意外と習得特技が微妙だし、魔法戦士はメラゾーマしか取り柄がないし、レンジャーは更に習得特技がどうでもいいし…強い職業が特定のものに偏っているのが残念です。
特に魔物マスターはモンスターが仲間にならなくなったDS以降だとかなり立ち位置が危ういです。間接的に上級職のレンジャーもSFC版以上に目指す必要がなくなっているという。
そもそもDQ5~7の頃って殆どの特技が消費MP0で打ち放題なせいであまりゲームバランスが良くないです。本作でバーバラが弱いと言われがちなのは、「MPだけ異常に高くて他(特にHP)が低い」という、MPが大して必要無いゲームバランスに合っていない性能だからです。
バーバラは魔法職が適職だから魔法使いや僧侶になるのが王道なのですが、そうするとHPの値がもう悲惨なことになります。
回復呪文が必要なときでも、ミレーユやチャモロくらいMPがあれば充分だし…
DQ8以降の作品は以前ほどゲームバランス云々言われなくなった印象なのですが、MPを使う特技が増えたことが理由として大きいのではないでしょうか。
まとめ
王道から外れた要素が色々あって遊びがいがあるDQ6。ただそんな一風変わった所があるからこそ私は本作が好きなんだろうなと思いました。長年続けているシリーズとなると、無難な作品ばかり作っていたら飽きられるのは目に見えていますからね。
転職システムがあったり、自由度が高いところを踏まえると案外この作品は天空シリーズファンよりロトシリーズファンの人と相性が良いのかもしれません。キャラの個性やストーリーの描写的には天空シリーズファンの方が受けが良さそうですが。
DQ6を気に入るかどうか迷っているのであれば是非プレイしてみましょう!DQ7やDQ9あたりと比べるとそこまで賛否両論というわけでもないので恐らく問題無く楽しめるはずです。