オブラディン号の帰還をプレイすべき理由

オブラディン号の帰還をプレイすべき理由

「オブラディン号の帰還」(Return of the Obra Dinn)というゲームを色んな人にプレイしてほしい、そういう気持ちに昔からずっとなっています。

入国審査官ゲーム「Papers,Please」を作られたアメリカ人ゲームクリエイター、ルーカス・ポープ氏が作られたゲームです。…と言っても多くの人はまだ頭の中が「?」という感じでしょう。

ですがこのゲーム、個人的に間違いなくプレイして損のないゲームであると胸を張って言えます!”謎解き”、”推理”、”アドベンチャーゲーム”といったワードに惹かれる人は100%楽しめると言って良いでしょう。

どのようなゲームか?どのような点が魅力か?などを是非紹介できたらと思います。

どんなゲームなの?

オブラディン号という船ではかつて60人もの乗客が乗っていました。

しかしその60人は何かしらで死亡したり、失踪したりしています。主人公は懐中時計を使って乗客の死の瞬間を回想という形でどんどん見ていきます。

そしてその60人全員について「その人物の名前は何か」「誰によって死んだか」「どのように死んだか」を推測して埋めていくゲームです。

直接名前が出ている人の方が少ないので出身だったり会話の内容だったりどのような仕事をしている人であるかといった情報をフル活用して人物を当てていきます。

序盤のうちは「いやこんなの絶対全部解くの無理だって!」と思いがちですが、このゲームの特性を掴めてくると何が何でも最後まで解いてやる!という気持ちになっていくことができる、推理ゲームとして実に秀逸なゲームデザインとなっています。

このゲームの実況動画を色々見たことがありますが、何だかんだ皆さん失踪せずにクリアしているのでその辺りは絶妙なバランスを取っているゲームと言えるのではないでしょうか

このゲームの魅力を簡潔に述べていく

ボリュームに不足なし

プレイ時間は人によりますが10時間前後。推理ゲームとしては充分なボリュームと言って良いと思います。

このゲームは一度答えを知ってしまっては二度と同じように楽しめない、初見で楽しめる状態を全力で満喫するべきゲームなのでせかせかとプレイするのではなく、是非じっくりとプレイしてほしいですね。

遊びやすい

ゲームによってはチュートリアルが長くて本編に入る前に飽きてしまう、という人がいます。ですがこのゲームはそこまで長ったらしい説明等があるわけではなく、テンポ良く進んでいきます。

最初に埋まるであろう3人は意図的に分かりやすい難易度になっているのでここまでがチュートリアルと言えるのかな、と考えています。このゲームは3人埋まる度に答え合わせが入るので実際に正解を確認して「こういうゲームなんだな」と認識できるという中々上手いゲーム構成になっています。

グノーシアといいこれといい、チュートリアルがチュートリアル感なく楽しく進められるゲームに私は憧れますね。

抜群の自由度

個人的に凄く評価したいのがここ!どの順番で死亡シーンを見るのが自由なのは当然ながら、どのような順番で手記を埋めていくのかもプレイヤーの自由です。

そのため分からないところはとりあえず空欄にしてガンガン思念を見まくっても良いですし、気になるシーンは繰り返し確認しても問題ありません。

実況動画を見ると

・あー、やっぱりここはみんな分からなくて終盤になるよなあ

・これかなり難しいのにこんな序盤でよく気づいたなあ!

といった風に楽しむことができます。人によって気づく順番が違うので様々なプレイを見たくなるのが大きな魅力と言えます。

甲板員と檣楼員が沢山いるのでここを絞り込むのが大変なんですよねw

難易度も丁度良い

このゲームは述べた通りやり応えある難易度になっています。確かに”難しい”ですが”激ムズ”ではないと思っています。

その理由としてはやはり3人当たると答え合わせが入るシステムでしょう。これのおかげで多少の総当たりもできますし、ただ闇雲に埋めていくよりもプレイする側のモチベーションも保てます。

それに殆どのキャラクターが「ああそういうことかあ」と納得できるような根拠があるので仮に分からなくて答えを見たとしても理不尽さは感じないですね。

プレイすればするほどこれもヒントになるなとかそういう傾向が読めてくるので自分の推理力が上がってきているような感覚になってきて楽しくなりますw

最初の方に見ていたから全然気にしてこなかった場面とかでも改めて見ると「ヒントだらけだったじゃんこの場面!」ってなったりするのが実に面白いです。

キャラに愛着が沸いてくる

このゲームのキャラクターは全て回想シーンで出てくる台詞以外に喋ったりはしません。それに加えてモノクロだし、キャラクターもオッサンばかりなのですがプレイしていくにつれて自然と愛着が沸いてくるのが不思議ですね。

名前を特定するまでは皆さん便宜上あだ名を付けると思われますが、名前が分かった後もそのあだ名の方が何となくしっくりきちゃったりとかね。ただこのゲーム、ハg…もといスキンヘッドのキャラが多すぎるので「あれコイツ誰だっけ?」という状態にもよくなりますがw

特にⅩ.終幕まで残ったアイツとアイツは色んなシーンで出てくる上に中々名前が判明しないので各々面白いあだ名を付けがちな傾向にあります。

あの限られた台詞数と静止画でキャラ性が何となく分かってくるというのも面白い。とりあえずニコルズはゴミ。

他にもアイツ助手のくせにあの座り方は何だよとか存在感が薄すぎる一部のキャラクターとかあるキャラの死に方グロすぎてうわあ…となったりとかよく戦うキャラクターや士官候補生3人衆を応援したくなったりとかコイツとコイツ仲良しだなとか。

何だかんだどのキャラも思い入れがあるんですよね。キャラゲー的要素は一切ないゲームですが、こういうのが垣間見られるだけでも個人的には嬉しいです。

唯一無二のゲーム性

私はこのゲームと同じシステムを採用した謎解きゲームをやりたいと強く思いました。そのくらいシステム的にも、謎解きの難易度も良好です。

しかしシリーズ化はされていないし、そもそも似たようなゲームがありません。一度答えを知ってしまうと同じような感覚では推理を楽しめないゲームなのでもう一度プレイしようにも初見時のようなわくわく感はありません。

これはつまりオブラディン号の帰還が他に似たような例がない、唯一無二のゲームということです。そう聞くと興味が沸いてくる人も多いのではないでしょうか?

私としては是非この謎解きゲームをシリーズ化してほしいと願っています。こんなにじっくり考えられる中毒性の高いゲームはシリーズ化したらコアなファンが間違いなく付くはずです!

まとめ

オブラディン号の帰還の魅力を簡潔に、かつ皆様にプレイしてもらいたいという思いを込めて記しました。

一般的にアドベンチャーゲームと言えば逆転裁判やダンガンロンパ、レイジングループといったストーリー性あるゲームを想像される方が多いと思われますが本作はこれらとは全く毛色が異なる、徹底的に推理要素に焦点を当てたゲームとなっています。

そのため印象深いストーリーを求めるプレイヤーとは合わないかもしれませんが、どのようなストーリーがオブラディン号で展開されたかを考察できる余地は充分に与えられているので色々想像したい人はじっくり考えてみるのも良いですね。

見落としていたポイントを自力で気付けたときの感動と3人埋まる度になる答え合わせ時のカタルシスは筆舌に尽くしがたいものがあります。皆様も是非オブラディン号の帰還で名探偵気分になってみてはいかがでしょうか?

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