ボリューム満点なシリーズ集大成・ドラゴンクエストXIの魅力

ボリューム満点なシリーズ集大成・ドラゴンクエストXIの魅力

ドラゴンクエストシリーズ解説記事も、本記事で6本目。前回はDQ8の解説をしました。

王道進化の正統派作品・ドラゴンクエストVIII の魅力 – ルルアリーのお気楽ブログ (mypaselife.com)

DQ4~8と来たので本来ならば9を解説するべきなのでしょうが、DQ9と10はちょっと風変わりなドラクエですし、私自身もしっかりとやりこんだ訳ではないので先にDQ11の解説をしようと思います。

個人的に最近のDQシリーズはそこまで深くハマった作品はなかったのですが、DQ11は久々に「キターー!!」と感じるくらい好きな作品でした。私の好きなDQ作品は4と5のツートップでしたが、それに並ぶ勢いです。世間一般的にもDQ11はDQ3や5と並び、非常に高く評価されている名作です。

DQ11の何が魅力なのか、どのような作品なのかを本記事で解説していきます。

遊べるハード

「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」はまずPS4、3DSで発売されました。その2年後にリメイク作品として「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」というタイトルでSwitch版が発売され、そのリメイク版の移植としてPS4/Xbox One/Windows 10/Epic Gamesストアでも発売されました。

今からプレイするのであれば圧倒的にSwitchか、それ以降に出たハードでのプレイがオススメですね。元々良いゲームなのでオリジナル版でも100%楽しむことができますが、リメイクしたことにより

・フルボイス

・オーケストラ音源

・各キャラごとの追加シナリオ登場

・「幸せになりたい!」の願い事による各キャラごとのイベント

など、更に磨きがかかった作品となっています。Switchはゲームをプレイする人であれば持っている人が多いでしょうし、そういう意味ではSwitchが1番オススメと言えます。

私の好きなところ、魅力

ストーリーは量も質もシリーズ最高峰

ストーリーはシリーズの中でも久々に好みの系統の物が来たという印象でした。DQ8~10も印象に残るエピソードは色々あったのですが、それでもDQ4~7には一歩及ばないかなというのが個人的な感想でした。

DQ11は中盤までは王道の冒険物という感じで、万人受けを重視したストーリー構成となっています。この古き良きドラクエらしさにしみじみとしながらプレイしましたが、私はこの段階では良くも悪くも普通のドラクエだと感じていました。

しかし途中で大きなターニングポイントを迎えます(これを本記事では異変後と記します)。これ以降からが本作の本領発揮と言っても過言ではありません。

ガラッと変わる世界観、先が気になる展開を豊富に詰め込んだストーリー展開、より本格的に悪と対峙していく展開などにより、異変前に比べて明らかに一気にプレイすることが増えたことを覚えています。

本作のラスボスはDQ5や6のようなストーリー終盤まで目立たないタイプではなく、比較的早い段階から存在感があり、

コイツは許せない!!

とプレイヤーに怒りを抱かせるような奴だったのも個人的には好印象でした。

異変後は仲間キャラの描写が今まで以上に丁寧に作られていることも見逃せません。今まで謎だった出自や過去が判明したり、異変後の苦労を乗り越えて成長していく様が次々と描かれていき、ただでさえ好きな仲間キャラ達により一層愛着が沸くこと間違いなしです。

そしてもう一つ大きく評価したいのが、クリア後のストーリーが非常に凝っているという点です。

私は基本的にドラクエは裏ダンジョン、裏ボスまではやりこまずバチッとストーリーが完結したらプレイを終えるタイプでしたが、DQ11はストーリーがあったのでプレイしました。結果としては、本当にクリア後もしっかりとやって良かったなと思う出来でした。

クリア後の展開については賛否が分かれやすい要素ですが、私はアレで良かったと思います。確かに異変後のストーリー描写や成長描写が丁寧だった分、早送り気味な感は否めません。しかし「世界を完璧に救う」ということを踏まえると、これが最適解なんだと思いながらプレイできました。

異変後のストーリーはほんと、辛い展開多いからね…

特にホムラの里は本当に救いのない結末で心残りだったので、クリア後の世界でハッピーエンドを迎えることができたのは凄く嬉しかったですね。

というか何より異変後では会えなかった、”あのキャラ”の生き生きとした姿を存分に楽しめるというだけでも私はもう大満足です!

総じてドラクエ11はストーリーが印象的で、本編が大変ボリューミーなのが良かったですね。他作品だと大体レベル30~40くらいでラスボスに到達しますが、本作ではラスボスはレベル50前後、裏ボスはレベル70前後が目安となっています。

DQプレイヤーならばこの数値を見ればいかに本作がボリュームある作品かが分かるはずです。普通にプレイしていても50時間以上は余裕でかかります。

私はクエストやクリア後の冒険などじっくり堪能したので最終的なプレイ時間は100時間を超えました。長い長いと言われまくっているDQ7でも私はここまでかかっていないのでこれは相当です。

仲間キャラの人数が多い上に魅力的

本作では主人公含め仲間キャラが8人います。これはDQ4を思い出す大所帯です。しかも本作は人気キャラが多いです。今では人気キャラランキングがあるとDQ11のキャラがよくランク入りする光景を見かけるようになりました。特にカミュベロニカは人気が高い印象です。

私としてもDQ11の仲間キャラはシリーズの中でもかなりお気に入りの部類ですね。それだけに仲間会話システムがDQ8のような簡略化形式なのは惜しいところです。

欲を言えばDQ4キャラのような癖の強さがもう少し欲しかったところですが、まあ気にするほどではありません。ストーリーの項目でも述べましたが、本作は仲間になってからも各キャラの出番や見所が豊富なのでより印象に残りやすいです。

私が「まさかこんなに好きなキャラになるとは…」となったのはシルビアですね。別にオネエキャラが嫌いな訳ではないけれど、見た目も癖強いしプレイ前まではノーマークだったキャラでした。

ですが面白キャラぶりと騎士道とは何たるかを見せつけるときのイケメンぶりの二面性に仲間加入前から早くも見とれましたね。そして異変後の良い意味で変わらないやかましさとぶれない意志の強さに、

オネエさま、最高ー!!

となりました。シルビアは人気ランキングで上位に来るタイプのキャラではない気がしますが、プレイ済みの人はみんな好きになるのではないでしょうか。下手したらウザキャラになりかねないキャラ造形なのに万人受けするというキャラ設定のバランスが素晴らしいです。

女キャラの中では私の好きな要素を存分に取り入れたマルティナ姉さんが当然No.1…と言いたいところですが、プレイしていくうちにベロニカがマルティナに匹敵してしまうくらいにお気に入りになってしまいました。

ベロニカはもう何というかとにかく可愛い。よく考えてみればまず見た目がずるいですよ。ロリ体型に三つ編みにぱっちりおめめ。ロリコンでなくても可愛い!となってしまいます。

自信家で口の悪い感じが(頭巾姿である点も含め)マリベルっぽいですが、この手のキャラにありがちな「最初は主人公に言いたい放題だけど徐々に本心が見えてくる」タイプのキャラではなく、最初から主人公とも割と良好な関係で、正義感も強いまともなキャラなのは良かったですね。

あと公式サイトなどでは仲間になることを伏せられている8人目の仲間キャラがいるのですが、その人もかなりのお気に入りキャラです。

詳細は伏せますが、仲間になるまでの過程の丁寧さはプレイヤーのことをよく考えた物であり、シリーズ屈指の物だったと感じています。そして性格面でも真面目さとポンコツさの二面性が丁度良いバランスで良いキャラしています。

本当は全仲間キャラ書きたいところではありますが、未プレイ人がプレイ中にわくわくできるようにキャラを厳選して解説しました。

仲間加入するキャラ以外も印象に残りやすい

仲間に加入するキャラはどの作品でも印象に残りやすいですが、本作はそれ以外のキャラもかなり印象に残りやすいんですよね。シナリオの濃さと個性的なキャラ描写によるおかげだと思います。

実際、ドラクエライバルズでもDQ11からのキャラは非常に多くのキャラが参戦していましたし。

好きなNPCランキングというのもありました。

[ドラクエ11]プレイ後アンケート結果!ネタバレイトショーまとめ① | ドラクエ10攻略ノート(仮) (game-co.net)

個人的にホメロスはそんなにイケメンじゃないのにゲーム内でも世間的にもイケメン扱いされているのが疑問なのであまり好きではないですが…歪んだ理由もピサロやマルチェロに比べてしょうもないし、相当な悪人ぶりを作中で見せていますし。

ただオリジナル版ではクリア後の世界でホメロス関連の内容があまりにもあっさりしていたのは特にファンでもない私からしても少し気になっていました。そのためSwitch版の追加エピソードで丸く収まるような展開になっていたのは良かったです。

サブキャラのお気に入りはポンコツ過ぎるけれど根っこは普通に良い奴で憎めないファーリスです。何度見ても土下座がツボる。

あとニマ大使も好きです!何歳なのって突っ込みたくなるけれど(笑)。銀髪ロングで釣り目で和装で巨乳とか私の好きな要素しかないんですが…

ロウがニマに尻を叩いてもらいたい気持ちも分からなくはないw

見た目やキャラ的にはマヤとかヤヤクも結構好きなキャラですが、彼女らはストーリー上の立ち振る舞い的にはちょっと賛否分かれそうな要素がありますね。

特にマヤ。行動・発言共に全体を通してかなりクソガキです。そのためああいうガサツキャラは嫌いではないですがモヤモヤしました。正直あそこまで不快な要素が多いとかなり上手に良い子な要素を見せてくれないと好感度が上がりません。

ただの脇役なら別に良いのですがあるキャラの血縁者という雑な扱いにしづらい立ち位置である以上、もう少し丁寧に掘り下げた方が良かった気もします。

DQ11は他にもハンフリーやロミアなど、自分の欲望のために度を過ぎた行動をするキャラが少なくなく、それがある意味本作のストーリーをより人間臭さ溢れる物となっていて、深みが増しています。

因みにロミアには真実を伝えました。辛いけれど、「優しい嘘」はよほどの事じゃない限りつかない方が良いと感じました。

「絆」が本作における大きなテーマの一つなのかなと考えています。特に親子や兄弟など家族に関するエピソードが多く感じました。家族関連のエピソードを持つキャラはメイン・サブ問わず多く、この手の話が好きな人にはオススメできます。

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スキルパネルシステムはかなり完成度が高いと思う

DQ8の感想において、「スキルシステムは良いシステムだけど不親切な点が多い」という話をしました。

ですがDQ11ではDQ8でいくつかあったスキルシステムの不満点が見事に解決され、かなり完成度の高いシステムになっています。

・スキルポイントはDQ9以降の作品同様、使い道に迷ったら温存可能。

・あと何ポイントでどの特技を習得できそうかをビジュアルで分かりやすく表示。

・異変後からはスキルポイントの振り直しが可能。因みにスキルポイントの振り直しが可能になったのはDQ10から。

・習得特技の具体的な内容が習得前の段階で分かるようになる→いまいちな効果なら習得しないなど吟味しやすい

など。

スキルパネルシステムによって選択肢の幅が大きく広がっているのもこのシステムの魅力です。

今までのスキルシステムだと○○スキル何ポイントで××習得、といった風に決まっていました。しかし本作では違います。例えば主人公の場合、両手剣スキルに振るということは決めていても、

・スキルパネル上部の方に伸ばし、強力な単体攻撃である全身全霊斬りの早期習得を狙う。

・スキルパネル右の方に伸ばしていき、グループ攻撃であるぶん回しの早期習得を狙う。

といった風に同じポイント数でも覚える順番に個性が出ます。これが本作の育成システムをより一層濃くしています。良システムだと感じています。

「弱い仲間キャラ」が1人もいない見事なゲームバランス

本作のゲームバランス面で素晴らしい点はスキルパネルシステムもそうですが、それ以上に素晴らしいのは使えない仲間キャラがいないという点だと思います。

1.攻撃呪文はDQ8以降同様ちゃんと強い

DQ8以降改善され続けた魔法使い系キャラの待遇。特に本作はDQ10同様攻撃魔力がしっかりと機能している上、魔力覚醒もあるのでベロニカはかなりとんでもない火力を発揮するキャラとなっています。

但し呪文時にMPを使うことや他キャラの火力も踏まえると、火力自体はそこまで突出して優秀というわけでもなく、何ならHPの低さを筆頭に物理面での無視出来ない弱点があるのでバランス崩壊にはなっていません。

2.カミュのイカレ火力について

カミュはDQシリーズとは思えない火力の最高峰ぶりがネット上で有名です。但しそのバカ火力を発揮するには分身バイキルトなどの下準備が必要なことを思えば許容範囲だと思います。

それにステータス自体は素早さくらいしか優れたものはないし、装備も貧弱です。素のステータス的にはマルティナの方が高いし、連続攻撃技や全体攻撃技など特技のバリエーションも豊富です。

カミュとマルティナはどちらも「素早さの高い軽装アタッカー」という立ち位置ながら上手いこと差別化できたなと感心してしまいます。マルティナが早熟型、カミュが晩成型とされやすいですが、育成次第ではカミュも序盤から活躍できますし、マルティナも性能的に最後まで衰えません。

3.ロウやシルビアは器用貧乏?→いいえ、痒い所に手が届く良い立ち位置

本作の仲間キャラの中だと比較的ロウとシルビアが所謂器用貧乏的ポジションになりやすいです。

ロウは職業で言うとMPが豊富な賢者ポジションで、攻撃呪文も回復呪文も出来るけれど攻撃呪文はベロニカに、回復呪文はセーニャに劣るという立ち位置です。

シルビアはステータス面ではどれも可もなく不可もなく。武器攻撃の他、補助呪文、回復系の特技、敵を状態異常にする特技、守備力無視の攻撃特技などとにかく幅広いジャンルの呪文・特技を覚えるものの、特化した性能はありません。

大体このような何かに特化していないキャラは弱キャラ認定されやすいですが、彼らに関しては痒い所に手が届く絶妙な性能をしています。

ロウはベロニカやセーニャが覚えないフバーハやラリホーマを使うことができますし、お手軽強力連携技であるユグノアの子守歌も使えます。また、メイン回復役のセーニャはキラキラポーンやその他補助呪文で忙しいことも多いので、MP豊富なロウはその際の回復役として使いやすいです。

シルビアはツッコミとハッスルダンスで中盤活躍、という印象がありますが、ハッスルダンスは終盤でも問題無いくらいの回復力を持っているのでやはり便利です。もう一人のバイキルト要員であるベロニカは魔力覚醒などでベロニカ自身にどんどん呪文攻撃してほしい性能なので、シルビアは回復補助に回れるバイキルト要員という点で使えます。

クリア後はレディーファーストもありますし、本当に「痒い所に手が届く」という言葉が似合う立ち位置のキャラです。

ロウもシルビアも派手な強キャラではないですが、居ないと困る性能です。全体のバランスを考えないとこのようなキャラ性能にはならないので制作者は凄いなあと思いました。

結論としては本当にDQ11はパーティーバランスが素晴らしいなあと。DQ11プレイした後に同じく8人パーティーのDQ4をプレイするとキャラの性能格差が本当に酷い(笑)。トルネコの無能ぶりは最早語り草です。

ミネアもフバーハ覚えるまでは(レベル29とかなり遅い)クリフトの下位互換と言っても良い性能だし、ブライはバイキルトは確かに便利だけどマーニャのメラ系、イオ系呪文の便利さ・手軽さに比べてしまうと…

ちゃんと全員が戦闘中に出番があるというのも、ただでさえ高いDQ11キャラの人気に火が付いているのではないかと考えています。

「冒険の書の世界」が楽しい(3DS版、Switch以降のハード)

DQ9以降お馴染みとなったクエストシステム。本作はDQ9や10に比べると規模的には縮小しました。とはいえオンラインゲームのDQ10はともかく、DQ9は正直クエストを盛り込みすぎて肝心の本編が疎かになっている感が否めなかったので、まあこのくらいが妥当なのではないかと。

クエスト自体はやりこみ要素として優秀なシステムだと思うので本作でも搭載されていて嬉しかったですね。

特筆すべきは「冒険の書の世界」の話になってしまいますが、過去のDQシリーズの世界に立ち寄ることができる点ですね。ファンサービス、ここに極まれりという感じです。

1番印象的なのは(恐らく全プレイヤーそうだと思いますが)、やはりルドマンの屋敷のイベントです。クエストクリア後は誰か1人を選んでプロポーズするというさながら本家の結婚イベントのような光景を見ることができて楽しいです。

どのキャラも告白時の反応が良い感じなのですが、マルティナの明らかにデレデレの反応を見られるだけでもマルティナファンとしてはもう大満足!という感じです。

初めて告白する際にマルティナを選んだ私は間違いなく勝ち組

プロポーズは全キャラ分できるし何回でもできるのででそんなに悩まずに気軽に告白しちゃって良いですよ。

冒険の書の世界は面白いだけにPS4版で搭載されていないのが惜しまれる…仲間会話もファンサービス多めでニヤニヤします。

個人的に好きではないところや欠点など

3DS版プレイヤーの私にとって時渡りの迷宮はヨッチ族集めがダルいのが難点でした。ただしヨッチ族集めはストーリーを進める上で必須ではない点や、Switch以降では廃止されて合言葉が簡単入手できるようになった点から今回の記事では欠点から省きました。

(以下クリア後のネタバレ注意)

あとエマとの結婚に関してもSwitch以降では選択制になったので欠点からは省きました。ただこれに関しては元々そこまで悪いとも思っていませんでしたけどね。

元々主人公と幼馴染みですし、結ばれるのであればエマになるのは自然と言えば自然です。それこそ十年以上離れ離れだったDQ5のビアンカよりもよほど主人公と一緒にいます。

ベロニカ、セーニャ、マルティナはみんな人気がある仲間キャラだからこそ、この中から誰か1人と強制結婚となったらそれこそ荒れかねません。そういう意味ではエマとの強制結婚にしたのはプレイヤー全員が無難に納得できる結末だと思います。

まあかくいう私もSwitch版をプレイしたらエマではなく仲間キャラと同居すると思いますがねw

(ネタバレここまで)

過去作にあまりに依存しすぎている

DQ11は上述した冒険の書の世界を抜きにしてもストーリー展開や小ネタ、BGMに至るまであまりにも過去作に依存している印象を受けました。

オマージュと言えば聞こえは良いですが…

ここまで過去作で見たような物が見られると「これがシリーズ最終作になるのでは?」とか「もう丸っきり新しい作品は作れないのかな?」という気持ちになりました。面白くなかったというよりは不安になったという感じです。オマージュ自体はそんなに嫌いではないので。

個人的に1番アウトだと思ったのはクリア後からの怒濤のDQ3推しです。DQ3がシリーズの中でも人気の高い作品だからって安直にDQ3の人気曲を使いすぎですよ。特に本作のフィールド曲は歴代でもかなりお気に入りなだけに何だかなあ…という感じです。

真エンディングに関しても旧作(というかロトシリーズ)をプレイしている人向けで、シリーズに馴染みの薄い人が置いてけぼりになる展開なのも良くない。DQ11のストーリーが大好きな私ですが、ここは本作のストーリー面における数少ない難点だと考えています。

私がDQ3自体そこまでシリーズの中でもお気に入りと言うわけでもでないからそう感じるのかもしれませんが…だとしてもこのような不満に共感できるプレイヤーは決して少なくないはずです。

BGMが微妙・BGMの使い回しの多さ

上述した通り、本作はBGMの使い回しがとても目立ちます。過去作のBGMは好きな物も使われていてテンションが上がった場面もありましたが、それでも「過去作のBGMに頼るのかあ」と感じる場面が多々ありました。

これで本作からの新曲が良ければまだ良いのですが、個人的に新曲は印象に残りにくいものが多かったです。なので正直過去作のBGMが流れる方が嬉しくなるときもたまにありました。

特に通常戦闘曲のパッとしなさは随一でしたね。というかDQ9辺りから戦闘関連の曲の微妙率が高い。すぎやまさんも高齢になって熱い曲が作れなくなってきているなあと感じました。実際、落ち着いている系の曲は中々良い出来なので(本作で言うと「愛のこもれび」「魔法使いロウ」「空飛ぶ鯨」など)。

過去作のBGMの使い回しの話になりますが、特に安直な使い回しが目立つとネット上でも話題なのは「敢然と立ち向かう」です。この曲、DQ6では本当にムドー戦でしか流れなくてそういう特別感による人気もありました。ですがDQ11では異変後やたら流れます。そのため結構批判が多かったです。

私が他に使い回しでがっくりきたのは(クリア後のDQ3共は既に記載したので除外)以下の2つです。

1.海図を広げて(海BGM)

この曲自体は海のBGMの中でもDQ6と並んで好きなのですが、この曲はDQ9でも使い回されたのを本作でも使い回されたので「またかよ」と思ってしまいました。そろそろ新しい海の曲が欲しい…

2.哀しみを胸に

これDQ7の中でもかなり好きな曲だし、DQ7の中でも特別出番が多い曲というわけでもなかったので最初の頃は「おお、隠れ名曲を使ってきた。良いチョイス」と思いました。

ですがこの曲、DQ11の中でも指折りの印象に残る場面においてかなりの確率で流れます。その印象に残る場面をネタバレを伏せながら言うと

・ナギムラー村で○○が死亡する際のイベント

・異変後における○○の過去が判明する回想シーン

・異変後、○○の死亡が判明する場面

・クリア後、主人公が重大な決断を迫られる場面

この辺りはどれも「DQ11で悲しい、泣ける話」で決まって上位に来るエピソードです。なので「愛のこもれび」みたいに切ない系のDQ11オリジナル曲をガツンと持ってきてほしかったですね。元はDQ7の曲なのにまるでDQ11の曲みたいになってしまっています。

それ以外はまあ許容できる範囲内での使い回しだったかなとは思います。特に「まどろみの中で」「ジパング」辺りは名曲なのに本編であまり聞く機会がなかったのでこうやって最新作で再びスポットが当たったのは良かったです。

ただディスってばかりではアレなので個人的に本作で好きな曲を2つ紹介します。本作も良い曲は当然存在します。

1つ目は勇者は征くです。本作のフィールド曲ですね。これは歴代フィールド曲の中でも上位に来るお気に入り曲です。DQ4の馬車のマーチが好きなのでこの系統の王道の勇ましいフィールド曲が凄く私の心に刺さりました。

気が付いたらこの曲を鼻歌で歌っているということもザラです。そのくらいメロディーもハッキリしていて覚えやすいです。

2つ目はオーレ!シルビア!です。テンポが速くてノリノリで、まさにシルビアにぴったりです。大体シルビアがしょーもないことをしている場面で流れます(笑)。でも異変後にこの曲を聞くと最早実家のような安心感すら覚えるのが不思議。

これも非常に癖になるメロディーですね。全DQシリーズの中でも元気になる曲で言うと相当上位に来る曲だと思います。

ただやっぱり他の作品に比べると私の好みにドンピシャな曲は少なかったです。これは好みの問題もあると思いますが、実際ネットの情報を見ても「曲がいまいち」「過去作の曲の方が盛り上がる」という意見はかなり見かけるので本作のいまいちな点として見て良いと思います。

難易度は比較的低め→Switch版以降は解決策あり

本作は難易度が低いとよく言われています。全体的に敵から入手できる経験値も多いし、強力な特技や連携技にも恵まれています。ダンジョン内でのセーブ、回復ポイントも多めです。

ただ私としては「確かに簡単寄りだけど、簡単過ぎてつならない」というほどではなかったかなという印象です。

本作のボスは歴代シリーズに比べて搦め手を使うボスが非常に多いことが挙げられます。それもあってただごり押しするだけではない、頭脳プレイのような装備や戦い方を要求されるのは中々面白かったです。私はまだ戦力的にさほど充実していない段階で戦う羽目になることもあってアラクラトロはかなり苦戦しましたね。

他にも状態異常がうざったるいメルトアやブギー、1ターンで3回行動してくる人食い火竜、難関ポイントとしてよく名の上がるハッスルじじい・邪や魔竜ネドラ・邪など中々個性的なボスが多かったのでボス戦は結構印象に残っています。

ただ最終盤のボスかつ因縁のある相手であるホメロスはもう少し手強くても良かった気がします。

私がなるべくエンカウントを避けてサクサクプレイする派なので歯ごたえのある難易度になったのかもしれません。

そのため今後DQ11をプレイする予定があり歯ごたえある戦闘を楽しみたいのであれば、私のように雑魚敵とのエンカウントを控えめにしてストーリーを進めることをオススメします!

難易度が低いということは裏を返せば「誰でもプレイしやすい」「初DQシリーズでも遊びやすい」ということにも繋がるので一概に悪いわけではないですけどね。初代から続くコマンド式バトルということで久しぶりにシリーズをプレイする人にもオススメしやすいです。

ただ戦闘面以外での詰まりポイント的なものはないと言って良いですね。例を挙げるならばDQ2のロンダルキアへの洞窟とかDQ3のピラミッドとかDQ6の不思議な洞窟とかああいった癖の強いダンジョンや謎解きは殆ど見受けられませんでした。

他にも

・ゲームを立ち上げるときに話を思い出せるように簡単なあらすじが表示される

・ストーリー面でもどこに行けば進むのかが全体を通して分かりやすく明記されている

・重要な話をするキャラはピンク色になっている

・マップがそもそもダンジョン含め表示されている

など、良く言えば快適にプレイできる要素が多く揃っています。

「難易度が低い」という意見が多いのはこういった点を含めての評価なのかもしれませんね。私はさほど難易度を気にしない人間なのでこの辺りの難点は気になりませんでした。

ただしSwitch以降に追加された縛りの一つに「全ての敵が強い縛り」があります。やり応えあるゲームを求めている人は最初からこの縛りを付けることをオススメします。人によっては「こっちの方が理想の難易度」という意見もちらほら。

まとめ

DQ11をストーリー、キャラ、システム、ゲームバランスなどあらゆる点を踏まえて細かに解説しました。

書きたいことがありすぎて大ボリュームの記事となってしまいました(笑)。何と1万文字を超えています。DQ11のボリューム満点のゲーム内容に見合った記事になりましたね。

DQ11は本当に素晴らしいゲームです。古き良きDQらしさと進化を感じさせるグラフィック・システム・ストーリーの深さなどが絶妙なレベルでマッチしていて新旧ファン共に大満足の作品だと感じました。

最近はスマホゲームが普及している世の中だからこそ、コンシューマーゲームの良さに気付く良い機会です。是非DQ11をプレイしましょう!

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