ズートピアはディズニー映画屈指の名作

ズートピアはディズニー映画屈指の名作

皆様はディズニー映画を見たことがありますか?

私はディズニーマニアとはほど遠いただのディズニー好きであり、知らないディズニー作品も数多くありますが、いくつかDVDを持っています。アラジンや塔の上のラプンツェルといったプリンセス系が比較的多いです。

その中でもズートピアは私の好みドストライクで、「好きなディズニー映画は何?」と聞かれたらズートピアと答えるようになりました。実際好みを抜きにしてもズートピアはストーリーの作りや細かい描写がとても”上手い”作品だと思います。

ズートピアはウォルトディズニーアニメーションスタジオの映画の中ではあのアナ雪に次ぐ興行収入となっており、人気の程が窺えます。

アナ雪はどちらかと言えばプリンセス作品であることやミュージカル面が受けて人気になった感があるのに対し(それがダメという訳ではないですが)、ズートピアは正真正銘作品が面白いゆえの人気と言って良いと思います。

ズートピアの好きなところや世間一般的な作品の評判などを踏まえた上で魅力を語っていきたいと思います。これを機に視聴してくれると嬉しく思います。

事件・推理物が好きな人は絶対にハマる

ズートピアをかじる程度でしか知らない人の場合、

可愛い動物が沢山出てきて、癒やされるほのぼの系映画かな!

と思ってしまう人は決して少なくないはずです。

まあジュディ可愛いし、チーターなのにどこか愛嬌のあるクロウハウザーや本作屈指のギャグ要員であるナマケモノのフラッシュなどに癒やされるのであながち間違いというわけではありません。

ただしこの作品では肉食動物14人が行方不明となる事件の真相は何なのか?という内容になっており、それに向けてジュディとニックが捜査をしたり、悪人を捕らえようと奮闘します。

そう、実は普通に事件・推理物のストーリーなんですよね。ミステリー大好きな私がこの作品にハマらない訳がありませんでした。

ミステリーなのでハラハラするし、手に汗握るアクションシーンも多いし、退屈しにくい作りになっています。やはり長編映画である以上「退屈しにくい」というのはとても大切です。

本作はミステリー作風ということもあり、ディズニーお馴染みのヴィランズ(悪役)も終盤まで誰か分からないような展開になっています。

(以下、少しアナ雪の内容ディスりが入ります。好きな方はごめんなさい)

私はアナ雪のヴィランズが小物&悪役感が薄い&唐突な悪役ムーブという三拍子重なったせいでこの手のヴィランズは苦手意識を持っていました。「ディズニーはやっぱりマレフィセントみたいないかにもな悪役が良いよな!」なんて思ったりしていました。

ですが、そもそもミステリー仕立てな作風にすることでこの手の終盤で判明する系ヴィランズも悪くないのかも、と考えを改めることができました。確かに本作のヴィランズも他のディズニーヴィランズと比べると悪役っぽさはないし、ちょっと同情できる要素を含んでしまっているので悪役としては弱いです。

しかしそのようなちっぽけなキャラにも関わらずこの規模の大きい事件を起こしたのは凄いな、とか中々行動力あるし策士だな、とか感心する気持ちも大きかったです。

もしズートピアをまだ見ていない方は、どのようにストーリーが進んでいくのかを自分なりに予想しながら視聴してみると楽しいですよ。

伏線が豊富な作品

私はさりげなく描かれた1シーンが伏線としてしっかり本編に絡むような展開が大好物なのですが、ズートピアはミステリー作品なだけあって伏線の宝庫でした。

意外なところで繋がっていたり、さりげない会話・やり取りが伏線になっていたりと”上手い”ストーリー構成になっていると思います。

(以下少し匂わせ要素を含みます)

「夜の遠吠え」なんかは特に良い伏線ですよね。他にもフルー・フルー(ミスターピッグの娘)を助ける本当にさりげないシーンが大事な場面で活きたりするので、是非細かいところまでじっくり視聴してほしいですね。

冒頭の台詞と演技が終盤のヴィランズ対決シーンで再び繰り返されるのも描写的に秀逸です。

本作のヴィランズに関しても「分かりにくいヴィランズ」ではあるのですが、本作の世界観・描写を考慮した上で推測すれば終盤手前くらいのタイミングで当てることも可能です。

(匂わせ要素ここまで)

本作は視聴しているだけでもそれなりに伏線には気付きますが実際にネットで調べてみると、

これも事前に張られていた伏線だったのか…!

と舌を巻く要素が更に多く含まれており、改めて素晴らしい作品だと思いました。

個人的に「しばらく2周目は見なくて良い映画」と「すぐ2周目を見たくなる映画」があり、当然後者の方が好きな映画なのですが、ズートピアは間違いなくこのパターンです。2周目だからこそ気付く要点や伏線をじっくり探すのがとても楽しいです。

「ご都合主義」が苦手な人にもオススメ

ディズニー映画って人によってはあまり好きではないと言う人も存在すると思います。私もディズニー映画を何作か視聴している身なので寛容な目で視聴していますが、改めて見ても「ご都合主義」が多いなあと感じますw

分かりやすいご都合主義と言えば魔法でしょうね。例えばシンデレラなんてディズニーを象徴する有名作品にも関わらず突っ込み所だらけですからね。

・そもそもフェアリーゴットマザーは何でシンデレラの前に現われたんだよとか

・12時に解ける魔法って何なんだよとか

・ダンスしただけでお互い好きになるとかおかしいだろとか

・そもそも走っていてガラスの靴って脱げるのかとか…

うん、改めて見ても突っ込み所しかないw

しかしズートピアはそういった突っ込み所はなるべく排除するように工夫されています。全く無いとまでは断言できませんが、ディズニー作品にありがちな魔法や愛の力は登場しません。

ジュディが警察官になれたり警察官として活躍できたのも彼女の努力と根性からなるものです。

特に終盤、ヴィランズと対決する場面だと他作品だと安易に愛とか友情とかご都合主義で切り抜けそうな感じがしますが、本作ではちゃんとジュディとニックの頭脳プレイによって仕留めます。ここが個人的に本作を大きく評価する理由の一つとなっています。

ミュージカルが苦手な人にもオススメ

本作はストーリー序盤で流れる「Try Everything」しか劇中歌はありません。そのためあまりミュージカル要素が好きではないという人でも安心して勧めることができる作品となっています。

かくいう私もミュージカルはそんなに好きではないんですよね。でもアラジンのように劇中歌をなるべく少なくして大事な場面だけに厳選したり、ヘラクレスみたいに歌いながらストーリーの様子やシーンがどんどん進む作品だったりすれば、問題無く視聴することができます。

個人的に美女と野獣アナと雪の女王はあまりに歌が多すぎて「早くストーリー進めろよ」と思う場面がありました。この2作が世間一般ほど好きではないのは恐らくこれが理由として大きい気がします。

ノートルダムの鐘も「歌多いなあ…」と中盤くらいでダレ気味にはなりましたが、私好みの厳かな曲調のものが多かったのもあって上2つよりは多少マシでした。

キャラが歌いながらだとどうしても曲の方に着目してしまっていまいちストーリーに入り込めないですし、単純に情報量も普通にキャラが喋るよりも少なくなってしまいますからね。ズートピアは歌の時間を削った分、上映時間を有効活用できており内容が濃くなっているのが魅力だと思います。

ネットオフ

ジュディとニックが段々意気投合していく様が魅力

本作の主人公はウサギの警察官のジュディです。そしてジュディの相棒として共に行動していく準主役が詐欺師のキツネであるニックです。

この2匹ですが、(恐らく意図的に)正反対な面が多いです。ざっと挙げてみると、

・草食動物↔肉食動物

・悪を捕らえる立場↔悪業を生業とする立場

・就職したばかりの新米↔ある程度年齢と経験を積んできた玄人

・ズートピアに上京したばかり↔ズートピアを知り尽くしている

・出来ないと思うことであっても諦めない努力型↔夢や希望を諦めてきた自由人

・良くも悪くも純粋↔頭の切れる冷静な皮肉家

など。案の定、最初はお互い良い印象を持っていません。お互いの利益のために仕方なく共に行動しているという感じです。

ですが行動してみると意外なほど相性が良いことがよく分かります。そしてある程度行動を共にしてギスギス感がなくなってから過去について語ったりと少しずつ打ち解けていく様子が丁寧に描かれています。

(白雪姫、アリエルあたりのすぐ一目惚れするキャラには爪の垢を煎じて飲ませたいところですねw)

しかもずっと仲良い訳ではなくて、一度喧嘩して離れ離れになって仲直りするという過程まで踏んでいますからね。

ただのハラハラミステリーというだけでは終わらせない、本作を通してジュディとニックの絆も描いてやるという意志を感じました。限られた上映時間でここまでしっかり描くことができるというのも大した物だと思います。

あとはまあ単純にジュディとニックがどちらも好感の持てるキャラというのも映画の魅力としては大きいですね。

作品視聴中もジュディの何事にもへこたれない強さは本当に応援したくなりました。見た目はウサギで可愛いのに中身はとても凜々しくてかっこいい。頑張り屋というのは王道の主人公像ですが、その頑張り具合が視聴者側にも充分に伝わってくるという点が彼女の魅力だと思います。

ニックに関しては作品を見終わった後には

これは女性受け良さそうなキャラだわ~

という印象を抱きました。チョイ悪系、飄々としている、いざというとき頼れる、根は良い奴というのは典型的な人気男キャラの要素ですからね。

というかディズニーの王子キャラで特に人気の高いフリンライダーがまさにこんな感じのキャラですからね。フリン好きな人は高確率でニック好きになりそうな気がします。

私としてはフリンもキャラ的には割と好きなのですが、ニックの方が好きです。フリンってストーリーの都合上善人みたいになっていますけれど、本来は指名手配中の大泥棒という同情の余地が無い悪人です。この泥棒業について最後まで特に報いを受けていないという点は個人的にモヤモヤします。

ニックは詐欺師というこちらも悪側サイドの職業のキャラです。しかし本当は真っ当な職業に就きたかったという過去や、詐欺師として生きていくと決めた環境などが作中で描かれたことにより、共感しやすいキャラになっていたのが良かったです。

ディズニーランドでもジュディとニックのペアはショーパレに出ることが徐々に増えてきたり、ファンキャップを被っているお客さんをよく見かけたりするので人気なのは間違いないでしょうね。男女ペアなのでカップルでお揃いにする際にもぴったりです。

子供向けと大人向けを高いレベルで維持している

ディズニーは万人受けする作品であることが多いですが、中にはノートルダムの鐘のように大人の方が楽しめる作品が存在します。

ノートルダムの鐘は世間一般的には知る人ぞ知る名作という立ち位置で、私も割と好きな作品です。しかし作風とかキャラがあまり華やかという感じではないし、ファンタジー色薄めなので有名作品になれないのも分かります。

サスペンス色強いストーリー展開や差別・偏見というテーマを全面的に描いたズートピアも個人的にはかなり大人が見ても楽しめる、何なら大人だからこそ深く印象に残る内容の作品だと思います。

特に差別・偏見についての描き方は表現は他のズートピア感想ブログなどでも着目して書かれやすく、特筆すべきものがあります。

主人公のジュディも無意識のうちに差別しているという描写が新鮮、という感じの感想をよく聞きます。彼女の肉食動物に対する無意識の偏見は他の感想などでも散々見かけるので、私は彼女の仕事面に関する差別についての感想を述べていきます。

駐車違反の取り締まりに不満気味なジュディですが、これだって立派な仕事です。というか、警察になったばかりの新米にいきなり難しい仕事を任される訳ないじゃんと初めて視聴したときから思っていました。

現実社会においても誰だって地道な仕事や下積み時代を経て、上司との信頼を築いていくことで出世していきます。こういう仕事に対する取り組み方について考える良い機会になったという点でも社会人経験のある大人には刺さる内容ですね。

そして大人が楽しめるけれど、子供が見ても楽しめる。ここが本作の魅力だと思います。

私は初めて見たときはまだそこまで深く考えずに作品を見ていたので差別・偏見とかを意識しないで視聴していたのですが、それでもとても面白くて楽しい作品という感想を抱きました。なので深く考えるのが苦手な人でも大丈夫です。

多種多様な動物が人間のように暮らす世界という設定もあって子供にも親しみやすい作風になっています。おもちゃの世界を描いたトイストーリーが子供からの人気が高い現象に近いと思います。

主人公キャラは基本的に「何事にも前向きで行動的なキャラ」が万人受けしやすく、ディズニーにおいても人気が高い主人公像となっています。ジュディはまさにそのようなキャラなので共感しやすいキャラです。

そしてナマケモノのフラッシュを筆頭にギャグっぽいキャラやシーンを随所に挟んでいる点も、あまりストーリーを理解しにくい子供でも「何となく、面白い」という好印象を抱くことができます。

フラッシュに関しては映画のラストでもクスリと笑える登場シーンで美味しいところを持っていきますからねw

フラッシュは出番は少ないのに下手なメインキャラよりも忘れられないインパクトがあります。

この良い具合で子供向けと大人向けが融合したおかげで家族で視聴するのにもかなりオススメできる作品だと感じています。

まとめ

ズートピアが好きな理由、評価されている理由をまとめました。

魅力的な世界観にキャラ描写、緻密に作られた脚本にめまぐるしく変わるストーリー展開と本作は端から端まで素晴らしい出来の作品です。この記事を書く際にサイトや感想をいくつか調べましたが、「この作品、やっぱり凄いな」と感心しまくりでした。

このようなレビュー系記事の場合、本来ならば難点なども書くべきなのでしょうが、本作に関してはそんなことよりも魅力的な要素をどんどん書き記していった方が内容的に深みのある記事になると判断しました。

DVDを買っても良いですし、買うほどのお金がないという場合はTSUTAYAで借りるなどの手段を取るのも一つの手でしょう。少しでも気になった方は是非視聴してみましょう!きっとハマるはずです。

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