人狼好きにもキャラゲー好きにも勧めたいゲーム・グノーシア

人狼好きにもキャラゲー好きにも勧めたいゲーム・グノーシア

皆様はグノーシアというゲームを知っていますか?

ゲーム実況界隈では割とプレイしている人が多いので知っている人も多いと思いますが、世間一般的には有名とは言えない知名度ですよね。

今でこそSwitch版やSteam版がありますが、最初はPS vitaで発売されたので(しかも発売されたのは既に出荷完了した2019年)本当に知名度が低かったです。

人狼もキャラゲーも好きなので、グノーシアはどんなゲームだろう?と気になってそこから知りましたが、これは唯一無二の個性がある、忘れられない名作と言って良いものです。世間一般的にも”隠れた名作”と非常に高く評価されている他、

・日本ゲーム大賞2019でゲームデザイナーズ大賞の最終選考まで残る

・CEDEC AWARDS 2020のゲームデザイン部門で優秀賞

・電撃インディー大賞2022で1位

といった受賞経歴もあり、自信を持ってオススメできるゲームとなっています。

グノーシアの特徴、魅力、好きなところなどをネタバレ無しでじっくり解説していきたいと思います。

「1人でプレイする人狼ゲーム」という他にない個性

「グノーシアってどんなゲームなの?」と言われると大体の人が「1人でプレイする人狼ゲーム」と答えます。この説明が分かりやすいですし、伝える際も楽です。

この時点で私は既に凄いなと思ってしまいます。今まで「人狼=オンライン」という脳に定着した印象を塗り替えたのは1つの偉業です。

それでもって人狼している気分になるし、ゲームとして成り立っているし、楽しい。

本当の人狼ゲームとはルールが違う場面は確かに色々あります。

・自分がコールドスリープor消滅したらその時点でゲーム終了

・守護天使(狩人)のCOができない。

・占い時に対抗占いするCOMがたまに見られる(基本的には真目の取れない行動)

・人外確定の人がいてもロジック低い面子ばかりだと中々吊り誘導できない

など、挙げたらもっとあると思います。ですが、「それはそれ、これはこれ」で済むレベルの違いだと私は捉えています。ゲームとしてちゃんと楽しいので大半の人が気にならないはずです。

1ループ約15分で終わるので隙間時間でコツコツプレイしても良し、リピートしたくなる中毒性があるのである程度の時間を確保してじっくりプレイしても良しという二面性を持っているのも魅力です。

人狼初心者大歓迎!なゲーム構成とシステム

この作品は例えグノーシアで人狼を初めて知ったとしても問題無いくらい、初心者への気配りが非常に丁寧に出来ている作品です。これはよく考えられているなと感心しました。

グノーシアは1番最初のループではキャラは自分含めて5人、役職も乗員とグノーシアという極めてシンプルなものです。その後20ループくらいまではキャラや役職、ルールが少しずつ増えていくので所謂チュートリアル的な面があります。

そしてその後は残りのイベントや特記事項埋めに向けて自由にプレイしていく、というスタイルになります。

これの何が秀逸かというとチュートリアルがチュートリアル感ないところだと思います。最初に長々しい説明があって分からなくなるというわけではなく実際の人狼を通して少しずつ出来ることが増えていくので人狼未経験でもスッと頭に入ってくるし、いつの間にかチュートリアルが終了する感じです。この流れが見事です。

人狼初心者がプレイしやすいもう一つの要因は能力値の存在です。プレイしていると例えゲームが上手い人であっても中々上手く行かないな、と思うことが何度もあると思います。ですが能力値を上げて主人公を強くすることができるので考えることが苦手でも”ある程度”はごり押しが可能になります。

もちろん己自身の思考も大切になってきますが…

例えば「最近吊られやすくなったなあ」と感じるのであればかわいげ重視で振るのが良いでしょうし、論理的に人狼を見抜くのが苦手であれば直感重視で振るのが良いでしょう。

そしてこの能力値システムの他に良いところを挙げるならば、縛りプレイがしやすいところですね。例えばRPGって低レベル攻略とかの縛りプレイがありますけど、雑魚敵やボスの経験値入手などがあるので中々荷が重いです。

それに対しグノーシアは経験値を振り分けない限り能力値が上がらないのでヌルゲーになりたくないというハードさを求めている人の需要にも上手いこと対応できているなと感心しました。ある条件付きですが、能力値の振り直しもできますしね。

1人用人狼という時点でも斬新なのに、ゲームの進め方やシステムもプレイヤーの需要と上手くかみ合っていて見事としか言えないです。

世界観やストーリーについて

本作は人狼ゲームとしての要素以外にストーリーや世界観を楽しむという点にも魅力が豊富に含まれています。大事な要素なのでここの項目はガッツリと解説していきます!

世界観は端的に言えばSFです。私はそれほどゲーム全般に詳しいわけではないので他のネットの情報にはなってしまいますが、SFが舞台の人狼、アドベンチャーゲームというのは珍しいという話を何度か見かけました。

先ほど”唯一無二の個性があるゲーム”と述べましたが、この世界観も唯一無二の個性の一つだと言えます。このゲームを開発した会社であるプチデポットさんのアイデアパワーには次ぐ次ぐ感心してしまいますね。

議論中のBGMも一見パッとしないですが、SFの世界観に合った綺麗な物で癖になりますね。聞けば聞くほど癖になる所謂スルメ曲という奴でしょうか?

そして本作のもう一つの特徴はループ物であるということです。人狼ゲームを繰り返しプレイするというゲームの都合上、ループというシステムにしたのは上手いと感じます。

そして本作はストーリー面、特にラストの締めくくり方が秀逸だと絶賛する意見を多数見かけます。ただ個人的な意見としてはループ物ということもあって時系列やエンディングでどのようなことを伝えたかったのかがちょっと分かりにくくて世間一般ほど「凄い!!」とはなりませんでした。

私だけかと思いましたが、実際「イベントを見直せない」「終盤の情報量が多すぎて理解が困難」などによりエンディングの内容を全て理解できなかった人は一定数見かけたのでそこは少し安心しました。

分かりやすく「感動した」とか「泣けた」とかいう感じの結末ではなかったのでそこは少し減点ですが、「ループ物の人狼ゲームというゲームにおいて結末を作る」ということの難しさは容易に想像できるので、そこについては評価したいです。

最初のループ時のメンバーにも意味があったというのも個人的にはgoodです。

エンディング面については少し辛口評価になってしまいましたが、それ以外のストーリー・イベントについては印象に残るものばかりですね。このゲームは基本的にずっと人狼を繰り返すので

それって飽きるのでは?

と思ってしまいそうですが、合間合間に挟まるイベントの存在も相まって飽きずにプレイできます。

・キャラの性格の良さが分かるイベント

・思わずドキッとしてしまうかもしれない恋愛イベント

・コミカルキャラによるクスリと笑えるイベント

・ちょっとトラウマになるかもしれないイベント

など幅広く様々なストーリーが繰り広げられるので、楽しくプレイできます。シリアスとギャグのバランスも良いので万人にオススメできます。

ネタバレ防止のため詳細は防ぎますが、皆様もきっと好きなイベントが複数あるはずです!特記事項以外にもイベントが色々あるので自分でプレイした後にプレイ動画を見てみるのもオススメです。

一枚絵が多いのでそれがなおさら世界観を印象深くさせていと思います。

特にセツ関連の一枚絵は綺麗な物が多いですよね!流石本作のヒロインポジションなだけある。

キャラがとにかく魅力的!

グノーシアは所謂”キャラゲー”の要素を多分に含んだ作品です。そのくらい個性豊かなキャラが集まっており、しかもストーリーが進めば進むほど愛着が沸くように上手く構成されています。

約1名、ストーリーが進めば進むほど株の下がるキャラがいますが(だって話長いし変態だし狂人だしw…まあここまで突き抜けているとネタキャラとして面白いですが)…

因みに私の最推しはレムナンです。プレイヤーからはいつも不幸な目に遭うという点ばかり着目される印象ですが、意外と無邪気だったり強かだったりと一口では語りきれない多くの面を持った魅力的なキャラです。

女キャラだったらコメットが1番好きです。ああいうお転婆、アホの子系女子好きなんですよ(笑)。くりっとした大きい目と豊かな表情も他キャラにない可愛さです。

しげみちラキオも捨てがたい。どっちも最初は「何だコイツ!?」感あるけれど段々見ていて微笑ましくなってきます。特にラキオは彼ほど「憎めないキャラ」という言葉が似合う人もいないでしょう。レムナン推しとしてはレムナンと仲良しなのもポイント高いです。

世間一般的にはパートナーポジであるセツの他、沙明SQ辺りが非常に人気が高いですね。セーブスロットのキャラもこの3人ですし、制作側も意図して人気を出そうと工夫した感があります。

ここには述べていないキャラもまだまだ存在しますので、タイプのキャラがいること間違いなしです。

キャラと能力値の傾向があっているのが面白い!

そしてただでさえ個性豊かなキャラのインパクトを更に色濃くしているのが人狼時における彼らの立ち回りですね。

個人的にラキオが憎めないキャラなのは、かわいげのステータスが低すぎてすぐにコールドスリープされるという点が理由として大きい気がします。

「とても頭が良いがひねくれ者」→「棘のある発言ばかりする」→「周囲からヘイトを買う」→「票が集まりやすい」。このキャラ構成が上手いです。

これで吊られにくいキャラだったらかなりイラッとしていたでしょうが、手当たり次第に疑いをかけた挙句逆に疑われて「とりあえずラキオ」のノリで投票されるのでフフッとなりますw

しげみちやコメットも「演技力が非常に低い=嘘が苦手」というのがそれらしくて良いです。裏表のない、良い奴ですからね。

2人とも演技力低いのに役職COしたがるのもそれらしくて良いw

しげみちが役職COした後、速攻で票が集まったら大体偽ですよねw

ククルシカも非常にキャラに合った戦い方をします。イメージ通りとてもかわいげが高いのですが、それゆえに彼女がグノーシアだとコールドスリープさせづらくて大変厄介。そのため段々ククルシカに対して「可愛い!天使!」というよりもそこはかとない不気味さを感じるようになります。

彼女関連のイベントや真相を知った後だと、人狼時の妙な手強さは意図的なものだったのだろうなと感じます。オトメもかわいげ高いのにそんなにイラッとしない(個人的な感じ方ですが)のでやっぱりキャラに基づいたAIが上手く作られているなと思いました。

ただ人狼をするのではなく、キャラの傾向を読みながら人狼するという点がキャラゲー好きとしては楽しいポイントの一つです。

まとめ

グノーシアの魅力について述べました。簡潔に言えば「1人用人狼ゲーム」ではあるのですが、その一言でまとめるだけでは語りきれない、親切設計なゲーム進行や練り込まれたキャラクター、ストーリー性が詰まった大変魅力的なゲームです。

何よりこれだけの名作をたった4人のスタッフで作ったという事実が驚きですよね。企業の規模を踏まえるとグノーシアは販売本数的にも評判的にも成功していると言い切って良い物だと思います。少数精鋭とはまさにこのことだなと感じました。

人狼が好き、キャラゲーが好き、アドベンチャーゲームが好きなど1つでも惹かれた要素があるならば是非プレイしましょう!私のこの記事を通してグノーシアの良さを知る人が増えてほしいです。

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