文理選択の決め手は2つである

文理選択の決め手は2つである

文系にするか理系にするか」の決断は殆どの人が体験するものです。

私は中学の頃から理系が良いとずっと思い続け、実際に理系に進みました。文理選択に悩まなかった人の割合は75.3%なので(文系理系の選び方とは?後悔しない文理選択の方法!【高校生なう】|【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信 (shingakunet.com)のデータより)、私のように悩まない人も多いと思います。

とはいえどちらにするかとても悩む人もいると思います。皆さんの参考になるかは分かりませんが、私の体験談も踏まえてどのように決めていくのか、大切なことなどを伝えられたらと思います。

※なお、私が理系のため、全体的に理系に偏った内容の記事になります。その点をご了承の上、ご覧になってください。

このように決めるべき

将来何の仕事をしたいかが1番大切!

もし文理選択の時点で、何の職業になりたいかを決めているのであればそれに合った進路を進むのが最も良いです。弁護士を目指すなら文系、医者を目指すなら理系といったイメージはできると思います。

特に理系じゃないと駄目な仕事であるかどうかは重要となってきます。例えばコンピュータを活用していく仕事の場合、理系じゃないといけない可能性があります。また、メーカーの場合、

・事務職(営業、経理など)→文系、理系問わず大丈夫

・技術職(生産技術、品質管理など)→理系のみ

といったケースなこともあります。そのため「○○会社で働きたい!」と思っていてもその仕事のどのような職種を体験してみたいかを考えておくと良いです。

ただしここで注意しておきたいのが「コンピュータを使ったり、難しい計算をしたりする仕事が嫌だから文系を選ぶ」という選択をしてしまうのはダメです。後述しますが「○○が苦手だからこっちにしておく」的な消去法的考えは基本的に良いことがありません。

とはいえ…

高校生の段階でどのような企業に就職したいかハッキリ決まっている人というのは、かなり珍しいです。そのため、

将来の夢を今決めないといけないのかな?

と焦らなくても大丈夫です。そのような人達に重要となるのは次の項目となります。

ずばり、その科目が好きかどうかで選ぶべき!

文系科目(国語・社会)が好きか、理系科目(数学・理科)が好きかです。ここで大切となるのは「その科目が得意かどうか」ではないということです。

勉強自体あまり好きではない、という人もいると思いますが「よく読書をする」とか「パズル・謎解きが好き」といった日頃の趣味や行動などを分析することでどちらの方が興味があるかを見極めることもできるでしょう。

私は中学・高校を通して社会の点数が良いなど文系科目の方が成績優秀なことも多かったです(とはいえ理系科目も高校のテストで70点台を下回ることは1度もありませんでしたが)。

ですが昔から私は理系科目の方が好きのレベルを文系科目よりかなり上回っていました。そのため特に迷うことなく理系に進みました。結果として私は理系に進んだことを後悔したことはありません。

まず数学・理科が苦手だとしても理系に進めばその点は改善できる余地が大いにあります。理由としてはざっくり2つあります。

1.それらの科目が好きなら、例え苦手意識を持っていても「どうすれば点数を伸ばすことができるかな?」といった感じに前向きに頑張ろうとする姿勢になれるので、伸びるのが早い。

2.文系科目の科目・コマ数などが減ることにより、今まで文系科目に時間を回していた分が理系科目に回せるようになり、理系科目の肝とも言える演習時間が充分に取れるようになる。

個人的に1は気持ちの面によるものが大きいので人によると思いますが、2は中々説得力のある理由だと思います。実際、私も文系科目のテスト勉強で今までかなり時間を使っていた節がありました。

特に社会は数学と違って覚えておかないと解きようがないので勉強時間を費やしがちでした。

しかし数学に時間を充分に費やすことが可能になったことで、塾における数学のクラスも以前よりランクの高いクラスになることができたりと成長することができました。

理系の例を挙げましたが、文系の方にも同様のことは言えると思います。数学はしっかり演習時間を取らないと高い点数が取れません。その演習時間が減る分、英単語の暗記であったり国語の長文読解演習といったものに時間を費やせるようになります。

苦手意識があっても挽回はできるので自分の科目への興味を大切にしましょう!

特に「最初は苦手だったけど、このように努力していって今は得意になりました」といった成長系エピソードは就活をはじめとする面接や先生とのやり取りで非常に受けが良いです。

注意するべきこと

「理系が苦手だから文系行きます!」だと学習意欲は保てない

高校1年生の頃、私と同じクラスの人によく見かけたのは

数学難しい!化学や物理も難しい!理系に行くなんて無理!!

という人です。このような選択肢については必ずしも間違っているわけではありません。「科目が難しいために興味が持てない。国語や社会はちゃんと点数が伸びるからよく理解できて面白い」という人もいると思うので。

ただし「文系に進んだ理由」として何かしらのポジティブな理由を言えるようにした方が良いと思います。もし「文系科目も理系科目もどちらも興味ないけれど、理系は難しいから文系にする」的なノリで決めようと思っている方は、本当に文系がいいのか改めて考えた方がよろしいのではないでしょうか。

私の高校では文系でも数学を、理系でも国語を3年時でも学習しましたし、定期テストもありました。コマ数が文系の国語や理系の数学より少ないとはいえ週5~6回はあったので、100%その科目から逃げられるとは考えない方が良いです(この辺りは高校によって異なるとは思いますが)。

特に国立大学を目指している人は確実に立ち向かう必要があります。

一応、理系は数学Ⅲという科目があって文系は学ばないという違いがあります。とはいえ(学んだのがだいぶ前なので曖昧な記憶ですが)数ⅠAⅡBと比べて格段に難しいという訳でもなかったです。

今後の人生(特に就活)において「なぜそのようなことをしたいと思いましたか」といったことを聞かれる機会は多く存在しますが、このような質問の際に消去法的な回答は好まれないです。ポジティブな理由をしっかり述べられるようにするのは就活対策などを抜きにしても、自分が今後成長していくために大切な心がけです。

大学生以降の理系は忙しい

理系は必修科目が多かったり、毎週実験があったり、そして毎回レポートを提出する必要があったりするので忙しいとよく言われます。

「理系は忙しいのが嫌だから文系にする」みたいな決め方をするのは考え物ですが、理系に進む人で「大学は今までより暇だしたくさん遊ぶぞ!」みたいに意気込んでいる人がいたら、

大学はあくまで勉強するところだからな!

と、私が一発喝を入れたい気分です。理系でもサークルやアルバイトをしている学生はたくさんいますが、くれぐれも勉強を疎かにしないようにすることです。

あと理系は院に進む人がかなり多いです。進まない人もいますが、そのような人は学んだこととは関係のない仕事(化学科だと化学メーカーといった進路が学んだことを活かすパターン)に就く人が多いという話を教授から聞きました。

裏を返せば理系に進んでも必ずしも理系を活かす進路に決めなければならない訳ではないということです。そのため将来の夢がハッキリ決まっていなくても、理系に興味があるなら理系に進むのも一案だと捉えることもできます。

文転・理転は考えるな

色々なサイトを調べると「理系が文転するのは可能だけど、文系が理転するのはほぼ無理だから悩んだら理系にしておけ」的な意見を見かけることがあります。ただハッキリ言って文転も理転と同じくらい色々な意味で無駄すぎると思います。

文転は国語や社会をしっかり学ぶ必要があるけれど、高校では学べないから塾などを利用して念入りに準備しなければならないし、高校の方では数学や理科から逃れられないから結局理系科目もそれなりにしなければいけないし。時間も無駄だし遠回りしているように感じてきて自分で切なくなってくるのではないでしょうか?

この記事にも記載した「科目が減ることによって演習時間が充分に取れて点数を伸ばせる」ということは悪いように捉えると「科目が増えると演習時間が取れない科目が出てきて成績が中途半端になる」ということに繋がります。

それに加えて文転・理転は科目が増えるだけでなく、受験で使う科目を高校で教えてもらえないという欠点まで抱えることになってしまいます。受験の成績が半端になるリスクを多大に抱えた状態になってしまうのです。

人によっては「○○の仕事がしたい」という明確な将来の目標があるなら文転・理転してもモチベーションを保てるのでは、と思うかもしれません。しかし、文理選択からたかが1年前後で決まった目標なんてまたコロッと変わる可能性が否めないです。もし、

文理選択では将来を考えなかったけど、今は絶対に○○になりたい!

というのであれば、文理選択の時点で将来の夢を考えなかった罰として

・文転・理転して科目数が多い中めちゃくちゃ勉強する

・大人しく文転・理転せずに他の将来の夢を見つける

など、自分の好きなようにすれば良いと思います。

理系の方が就職しやすいって本当なの?

「理系の方が就職しやすい」、「理系の方が将来的に有利」といった噂を聞くことも多いと思います。これについて私としてはそこまで有利だとは感じていないです。

理系は実験を行ったりとより実践的な内容を取り扱いますし、そういった技術的な需要は確かに高いと考えています。しかし理系は理系でその系統の仕事の人気が高く、理系同士で内定を取り合う羽目になります。

そもそも私も中々内定が手に入らなくてようやく、といった感じだったのでそのような私の実体験も踏まえると「理系の方が就職しやすい」というのも半信半疑な気持ちです。

そもそも世間一般的に理系が少数派なんですよね。高校のクラスだって文系の人が理系の人の2倍くらいいませんか?文系が多いから大学の学部も文系は色々な学部があるし、進路の幅も広いのです。

そのため文系の方が有利とまでは言いませんが、

理系だから就活余裕なんて思うなよ

ということです。ましてや「理系の方が就職が決まりやすいから理系にした」(私のクラスでもこういう生徒がいた)という理由だけで決めるのは個人的に論外です。

まとめ

私なりに文系・理系選択で重要なことを伝えさせていただきました。長々と記事を書いてしまいましたが、大事なのは「将来どのような職業に就きたいか」「どの科目に興味があるか」の2点です。

とはいえどのように決めるかは皆様次第です。納得のいく選択ができるよう、私も皆様を応援しております。

インクナビ
コメントは受け付けていません。