アナと雪の女王をブームが過ぎてから見た人の感想
ディズニー作品を代表する1作といっても過言ではないほど有名な作品と言えばアナ雪ことアナと雪の女王ですね。
私が学生の頃、テレビでしょっちゅう Let It Goが流れてきて「すげえ流行っているなあ」と感じたことをよく覚えています。
最初は食わず嫌いだったのですが、何だかんだ数年後に内容が気になって視聴しました。
感想としては「悪くはないけれど、私のタイプの作品ではない。周囲の評価ほどのお気に入りではない」って感じです。
そのため全体的に辛口な記事となってしまいます。それでも良いという方は読んでください。
何故ヒットしたのか、どこが私の印象に残った要素なのか・微妙だと思ったのかといった要素を解説していけたら思います。
目次
アナとエルサの姉妹関係が大きなテーマを握っている
本作のテーマはやっぱり姉妹関係だと思います。ただ仲が良いという訳ではない、ちょっと対立することがあったり複雑な事情が絡む姉妹の描写を幼少期から丁寧に描かれています。
この2人は特殊な幼少期を過ごしてきましたからね。エルサは秘密を隠していて、2人とも気まずい関係が続いて、更に親もいなくなってで。逆によく姉妹絶縁しなかったなと思うほど。
そんなアナとエルサの姉妹関係の描写をサポートするように、オラフやクリストフといったキャラクター達がいる。
王子様とのラブロマンスが軸となりがちなプリンセス作品において、姉妹愛に焦点を当てるという斬新さが恐らく評判が良かったのかなあと感じています。
ただ個人的な意見としては家族愛というのも題材としてはありきたりで、そこまで斬新でもなかったかな。アナとエルサを主軸にストーリーを進める必要がある関係上、クリストフの存在感がやや薄かったのは残念。
まあ彼は初期プリンセス作品の王子キャラに比べれば全然出番も活躍も多いのであまり気にしなくても良いかもしれませんが。
クリストフ、個人的には割と好きなキャラですけどね。理想の憧れ的キャラよりも親しみやすい男の人が好きなので。
とはいえアラジンとかフリンとか非王族出身キャラもそこまで珍しくなくなってきたのでそういう意味ではちょっと斬新さがなかったです。彼らはキャラも濃いし。
最近のプリンセス作品ってメリダとかモアナとか恋愛要素皆無の傾向にあるじゃないですか。こんなこと言うのもアレですが、アナ雪はこうして恋愛要素も一応入れておくことで「従来のプリンセス作品のラブロマンスが好き」層を取り入れようとしているのがあざといなあと感じました。
キャラについてもう少し詳しく(主にアナとエルサについて)
アナとエルサについてよく見かける感想として「アナがウザい」という物ですね。その分、エルサに好感を持っている人が多いなあという印象。
ただ私的には「正直エルサもウザくね?」って感じです。気の毒な境遇なのは分かるけれど、魔法を暴発させてアナをはじめ色んな人に迷惑かけているのに国を放置して逃げたりアナに冷たい態度を取ったりとかなりイライラしました。
物語が姉妹視点なので気付きにくいですけれど、国民にとってはエルサの存在ってどう見ても悪役ですからね。自分がアレンデールの国民だったらあんな女王嫌って思ってしまいます。それもあってエルサにあまり肩入れができなかったです。
アナは良くも悪くも正直だなと感じます。ハンスに速攻で惚れる辺りは「えー…」って感じでしたが、それ以外に関してはむしろ見ていて嫌いになる要素なかったですね。ハンスにクリストフと男2人と絡んでいる割に悪女感もそんなになかったし。
というか人気プリンセスのラプンツェルがアナと同じくわがまま、お転婆キャラなのにどこで人気面で差がついたのか…やっぱりハンスとかいうクソ男に引っかかったところが原因かなあ。
そういえば最近インサイドヘッドを視聴したんですけど、「ヨロコビは凄い頑張っているのにカナシミさあ…」って感じだったのでネットを見たらヨロコビ嫌いが多くてビックリした記憶があります。それを踏まえると私の感性が特殊なのかも。
そもそも原作では雪の女王が悪役で、アナ雪もその予定だったけれど急遽アナとエルサのダブル主人公にしたんですよね。だからキャラ描写とか脚本に無理が出ているように感じるのかもしれません。
まあ何だかんだエルサ嫌いじゃないですけどね。いかにも雪の女王って感じの高貴なビジュアルとか、大人びた雰囲気とか。
そもそもプリンセスって最初から人間として完成されているキャラが多いのに対し、アナとエルサは成長していくタイプなので今までのプリンセス作品のノリで見てしまった人が多分「アナウザい」とか言っているんでしょうね。
本作はディズニーの中でも珍しい(?)雪国が舞台ということでアナ・クリストフもキャラデザも他作品と区別できているし、マスコット枠が雪だるまなのも本作ならでは。そういう独自性というのは結構好きです。
オラフという名キャラクターを語りたい
まだアナ雪を大して知らない頃、オラフ見てぶっちゃけ「変なの、こんなのが人気あるんだ」とか思っていました。
ただ映画見ている途中で「ああ、これは人気出るわ」と評価一転。プリンセス作品に登場する脇役の中ではジーニーと並んで濃くて魅力的なキャラです。アナ雪の中では間違いなくオラフが1番好きなキャラ。
とにかくピュアで可愛いです。夏に憧れる様とか、アナのためにひたすら頑張る様とか。すぐバラバラになるのもまさに身体張っていて頑張っているなあと思わず感心してしまいますw
コミカル要員だったオラフが終盤でしっかり見せ場を見せてくれるのが良い。「アナのためなら解けてもいいよ」というシーンは震えますね。正直ここが本作における1番のハイライトだと思っています。
実際オラフの存在なしではアナが真実の愛に気付くことはなかっただろうし、オラフは最早脇役という枠を超えた重要キャラです。その上で可愛い。最高か。

ハンスはもうちょい何とかならなかったのか
ハンスって妙に嫌われている印象があるのですが気のせいですかね。まあでも私も正直かなり微妙なキャラだと思っています。
悪役としてもパッとしないし、人としてもクズだし…みたいな感じで。美女と野獣の記事でガストンが小物感あってショボいと書きましたが、その難点を更にパワーアップさせてしまったのが本作という感じです。
「王子キャラだと思っていたキャラが実は悪役だったって斬新でしょ?」という意図でできたキャラなんだろうなあとは容易に考察できますが、中盤まで嫌な奴要素がなくて姉妹不在時に普通に国をまとめたりもしているので結局意外性があるだけで悪役としての魅力がない。
エルサを捕まえようとして不審な動きをするとか、ストーリー中盤までに何か後半の展開に繋がる伏線があったらまた違ったんでしょうけどね。
(何か割と最近こんな感じのこと書いたなあと思っていたのですが、この意外性だけで悪役として微妙な感じ、逆転裁判5のラスボスと似ていますね。逆転裁判シリーズの知識が付いてきたから今だからこそ気付きました)
ヴィランズが弱いと終盤の盛り上がりが欠けるという割と致命的な欠点があります。実際本作は割とラストがあっさり気味に終わって盛り上げ不足だったと思います。
真実の愛に気付いてハッピーエンドというのも良く言えばディズニーならではの安心感、悪く言えばありきたり。
まあディズニーなので結末なんて別にベタで良いと思いますけれど、アナ雪って他プリンセス作品とは違うみたいなオーラを出しつつも結局注目される愛要素が男女間から姉妹間になっただけなので結局変わらんやんと思ってしまいました。
ミュージカル要素が多すぎる
美女と野獣、ノートルダムの鐘でも「歌が多すぎる」と述べたのですが、本作のミュージカルシーンの多さはこれらを上回るレベルで圧倒的です。過剰なミュージカル要素が苦手な私にとって本作は正直しんどい物がありました。
全てがダメという訳ではないです。Let it Goは映像美も相まって圧巻としか言いようが無い盛り上がりを見せてくれます。私は雪や氷の景色が大好きなのでふんわりとした雪及び美しい氷の城にうっとりしました。
あとマイナー曲ですけど氷の心、めっちゃ好きです。あれオープニングで流れてテンション上がります。トロール達が合唱する「愛さえあれば」も聞いていて楽しくなるので結構好きです。
ただとりわけストーリー序盤に歌が集中しているのが、余計視聴する気をなくします。もう少し満遍なく歌が散らばっていたらまた印象も違ったかも。
Let it Goに関しては、感じた人も多いとは想いますが「こんな序盤に流れるのか」という驚きがありましたね。てっきりクライマックスで流れるものかと。これをもっと終盤で流せば多少は満遍なく歌が散らばっている印象になったかも。
あるいはアナが真実の愛を探す場面で歌を入れるとか。本作ってアナの方がエルサよりも主人公成分強いと想うのですが、1番の有名曲をエルサに取られてしまったのでアナも有名曲が欲しかったところ。
生まれて初めてもめちゃくちゃ良い曲ですけど、アナとエルサが成人してさあこれから!ってタイミングで流れるので正直ダレる。あれをなくす or もっと短くしてその分終盤にアナの曲を増やせばバランス良かったかな。
上映時間は最近のディズニー作品とほぼ一緒(シュガーラッシュ、ベイマックス、ズートピアなど)なのですが、これらの作品と比べると歌に時間を割く必要があるため内容が薄く感じました。
テーマ性は結構しっかりしている
ちょっと辛口な意見が続きましたがこれは私の好き嫌いによる物も多く、ストーリーを通して伝えたいテーマとかディズニー作品としての良さという観点では他作品に引けを取らない出来だと思います。
そもそもアナ雪の感想としてやはり歌が良いとか歌が上手いといった物が多いです。ディズニー作品と言えば素晴らしい劇中歌という考えの人も多いでしょうし、それを踏まえるとディズニー映画に求められている物はバッチリ演出できていると言って良いです。
上述した姉妹関係は勿論のこと、本作の教訓はある意味美女と野獣に通ずるものがあります。「人を見かけで判断してはいけない」というテーマは本作にも当てはまるでしょう。
…なんかこう書くとクリストフが醜い野獣みたいですけれど、別にそういう訳ではないですからね(笑)。ただ、好青年っぽくて見るからに王子なハンスとガタイが良くて雄々しいクリストフだと、クリストフの方が野獣っぽいのも事実。
本作は出会って早々婚約なんてするんじゃねえぞというディズニー側からの強い意思を感じますw
真実の愛というテーマも分かりやすいし、小さいお子さんが見ても楽しく視聴できる作品という点でプリンセス作品としての役目は充分果たせていると思います。
まとめ
アナと雪の女王について、世間の意見及び自分の感想込みで解説しました。
プリンセス作品でありながらアナとエルサという姉妹に焦点を当てるという今までにない構成で、ディズニーらしさを大切にしつつも斬新な作品に仕上がっているのが特徴です。
アナとエルサはショーパレにもよく出演していますし、ファンタジースプリングスでアトラクションが登場したことによりまた話題になることが増えた印象です。
私も色々言いつつも見て良かったと感じています。コミカルあり、シリアスありでバランス良いし。特にアトラクションはかなり映画に沿った内容になっているので視聴を強く推奨したいです。
全ディズニー作品の中でも1,2を争う大人気ヒット作品、この機会に視聴してみてはいかがでしょうか?