あらゆる層に需要がある優等生作品、ベイマックス

あらゆる層に需要がある優等生作品、ベイマックス

今回のディズニー作品解説記事は、2010年代の作品の中でも上位に来る人気・有名作品であろうベイマックスです。

当時アナ雪がめちゃくちゃヒットして、その次にベイマックスも凄く話題になって「何か最近凄いなディズニー」と思ったことが記憶に残っています。

アナ雪が世間一般ほどはまらなかったこともあり何となくベイマックスも見る気になれなかったのですが、アクション要素が多いとか、感動できるとか色々気になる噂を聞いたので視聴しました。

結論としては、非常に私好みの作品でした!今まで好きな作品と聞かれたらアラジンやズートピア辺りをよく挙げていあのですが、今ではそこにベイマックスも入ってくると思います。

次作のズートピアは勿論ですが、この少し前に公開されたシュガーラッシュもかなり好きな作品なのでこの時期のディズニー映画は脂が乗りまくっていますね。

この作品の魅力や好きなところを解説していけたらと思います。

豊富なアクション映像

私は以前の感想でも述べたとおり、退屈しないストーリー展開という点をかなり重要視して映画を視聴しています。そのためディズニー作品で言うとアラジンやヘラクレス辺りが好きです。

ベイマックスはディズニー作品の中でも(と言っても見ていない作品もまだまだありますが)アクション面に相当力を入れている部類だと思います。マーベル作品が好きな人とかは食いつきやすいと思いますね。3D映像である分、昔の作品よりも迫力もあります。

ディズニー作品で言うと(ピクサー作品になりますが)ミスターインクレディブルが好きな人は恐らく好きになるかと。あの作品も色んなキャラが各々の持っている機能を駆使して敵から逃げたり戦ったりしますよね。

アクションと言われると戦闘が思い浮かぶ人が多いでしょうけれど、カーチェイスだったり飛び回ったりといった方面のアクション要素も実に魅力的な映像になっています。

私はピーターパンの「きみもとべるよ!」やアラジンの「ホール・ニュー・ワールド」が好きなのでそれもあってベイマックスに乗って飛び回るシーンは印象に残っています。

ベイマックスはアクションあり、ギャグ要素あり、感動要素ありといった感じに様々な要素がバランス良く入っている上にそれぞれの良さを邪魔し合っていない点が魅力です。それもあって最初から最後まで中身がぎっしり詰まった内容になっているので好きな作品です。

ズートピア同様、ミュージカル要素もないのでテンポ良くストーリーが進みます。何せ前作であるアナ雪がミュージカル要素強すぎたのでアナ雪があまり肌に合わなかった、という人こそベイマックスを勧めたい。

本作のテーマは何か?

今回のテーマはずばり「復讐は相手と同じ人間になる」ということでしょう。フィクション作品における復讐の扱いって正直とても難しくて、それ故に私も安易に「復讐をやめる」ことについて賛成はできません。

特に本作は結局ヒロが報われていないよなあ…と感じてしまいました。キャラハン教授の娘が戻ってきたのに対し、ヒロの兄は戻ってこなかったので。

ストーリー的にはそこは別にどうでも良いかもしれませんが、何となく世の中の理不尽さを実感しました。まあヒロもキャラハンも最終的に誰かを殺したとかはしなかったのでまだマシか。

まあ本作はそもそもバトル一辺倒な作品と言うわけではなく、友情、兄弟愛、ロボット愛といった要素を最も推したい内容であることは明確です。そのためタダシのベイマックスに込めた思いをヒロが理解して復讐をやめるという行動は作風には合っていると思います。

アビゲイルはタダシが作ったケアロボットとしての一面と、ヒロが作った戦闘ロボットとしての一面の両方があったからこそ救えた命と言えるのではないでしょうか。

もう一つ本作のマイナスポイントを述べるのであれば、やはりラストのご都合主義っぽい展開かな。あのままベイマックスと再会しないで終わったら別れのシーンの重みがグッと増して神作品になったと思うのですが…ディズニーだからやっぱりハッピーエンドにしちゃうよね。

「もう大丈夫だよ」の下りは非常に良い伏線だったな!と視聴していて感動したのですが、何せ素直じゃないので「どうせ最後はベイマックスと再会するんだろうなあ…」と若干冷めた態度で見てしまいました。ちゃんと素直に再会を喜べる体質になりたい。

まあでも本作のマイナス要素はこのくらいかな。そのためディズニー作品の中でも最上位を争える好きな作品であることは間違いないです。

意外と斬新な主人公のキャラ

主人公のヒロはこの手の作品としては、意外と珍しいキャラだと思います。

私の偏見も含まれているとは思いますが、ディズニーの男キャラって大抵ポンコツだったり何となく残念だったりしませんか?

ですがヒロは飛び級で高校を卒業し、マイクロボットを発明するなど凄まじい頭脳キャラとして描かれています。一見何の欠点も無さそうなタイプに見え、珍しいタイプの主人公だと思った記憶があります。

というか私が理系なので理系の人が集まる様子は見ていて大学時代を思い出す懐かしい気持ちになれて、そこも良かったです。

ディズニーってアジア系キャラを描くのが苦手な印象ですけど、顔も普通にイケメンの部類だと思いますし。

ということはヒロは完璧な主人公なのか?と言うとそういうわけでもありません。思春期特有の小生意気さをひしひしと感じます。あとキャラハン教授に対して復讐に取り憑かれたかのような行動をする辺りがガキだなって感じ。

他のディズニーキャラで言うと、グーフィーの息子のマックスがタイプ的には少し近いかも。彼もスポーツ万能だったりで一見「デキる男子」っぽいですが年相応の未熟さ、自分勝手さが目立つという点が共通しています。

何となく父親に振り回される苦労人みたいなイメージですけれど、グーフィームービーとか見るとかなりわがままなキャラだと思います。そもそも終業式で勝手にライブ開催する辺りどうかと…そりゃあグーフィーも心配するって。

マックスもディズニーキャラでは割と珍しいキャラ付けだと感じたので、ヒロもどのように成長していくのか含め見ていて楽しい主人公でしたね。

キャラが魅力的

主人公のヒロ以外も、本作は印象深い個性派揃い。登場人物にこれといって嫌味な奴がいないのでストレスフリーで視聴することができます。

何と言ってもベイマックスはタイトルになっているだけあり多くの視聴者の印象に残ったことでしょう。

ベイマックス、とにかく可愛い!可愛さを狙った感じではない、素朴且つシンプルなキャラデザなのですがそれ故に大人が見ても可愛いと感じるキャラだと思います。

ベイマックスは見た目以上に動きが可愛いとなるタイプではないでしょうか?特に歩き方がよちよちしていてとってもキュート。

正直映画を見るまでは別に何とも思っていなかったのに映画見てからは「何で今まで注目してこなかったんだ!」と叫びたくなるレベルで挙動に釘付けになりましたw

ヒロの仲間達もシンプルに良い奴らばかりなのでヒロと一緒にいる姿を見ると安心します。

ゴーゴーみたいなキャラって作品によってはもっとガラの悪いキャラにされてもおかしくなさそうですけど、考え方も真っ当だしヒロのことめちゃくちゃ思ってくれているしイケメン女子って感じで凄く好きです。

フレッドも好き。騒がしいムードメーカーで映画を盛り上げてくれます。カーチェイスですら慎重さを発揮するワサビや明るく可愛いハニーレモンもキャラが立っている。

あと忘れてはいけないのはタダシの存在。ヒロとタダシがどのような兄弟なのかをはじめ、映画序盤においてかなりしっかり掘り下げがられるのでそれだけにタダシの死は見ている側もショックだし、終盤の回想シーンもグッと深みが出ています。

タダシの生前の様子ってダイジェストとかで済ますこともできたでしょうに、ここまで丁寧に描いたのは英断だったと思います。というかこの映画、序盤から内容めちゃくちゃ濃い。

本作のヴィランズについて

本作のヴィランズはキャラハン教授です。が…どちらかと言えばクレイの方が悪役っぽさがあるような気がします。上述した「嫌味なキャラがいない」という点に関しても、クレイは例外。いや、彼も別に完全に悪い奴という訳ではないですけど。

クレイは最初からちょっと嫌な奴感ありましたからね。マイクロボットを奪おうとしていたし。

このままクレイが悪役だったら分かりやすい勧善懲悪物語になるのでそれはそれで悪くないと思います。しかし、本作は「復讐は相手と同じ人間になる」というテーマを伝えるためにキャラハン教授を悪役とするストーリー構成になっています。

私としてはアナ雪の記事でも書いたとおりヴィランズはマレフィセントとか分かりやすい悪役が好きで、意外性が強くて悪役としてはパッとしないキャラがあまり好きではないのでキャラハン教授に関してはそこまで好きという訳でもないです。

とはいえハンスみたいに「前半と後半でキャラが全然違うじゃん!」という感じの激変ぶりはないし、行動も「娘に対する復讐」という点で一貫しているし、クレイが嫌な奴だからキャラハン教授が闇堕ちするのもまあ理解できるしで悲劇の悪役として見れば悪くないキャラだとは思いますね。

悪役がショボいとストーリーの盛り上がりに欠けることが多いですが、本作はバトルシーンが迫力満点で、映像も次から次へと変わっていくので凄く盛り上がります。これも良かったですね。

まとめ

ベイマックスのテーマ性や魅力などを自分の好み・感想を含めつつまとめました。私は復讐についての扱いやラストのご都合主義っぽい展開といった辺りを欠点として述べましたが、それも本作の魅力と比べれば些細な話。

最初から最後まで見飽きないストーリー展開に加えバトル物が好きな人、絆要素で感動したい人、ベイマックスに癒されたい人や映画を楽しく見たい人などまさに記事名通りあらゆる層に需要がある非常に満足度が高い作品となっています。

ディズニー作品では貴重な日本を舞台にした作品ということもあってか、ディズニーランドにおける扱いも比較的良いように感じます。ディズニー好きな方は視聴して損のない内容だと思います。

まだ視聴していない人はこれを機に是非視聴してみてください!

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