大学生になって読んだ本の中で印象に残ったミステリー小説

大学生になって読んだ本の中で印象に残ったミステリー小説

皆さんはミステリー小説が好きでしょうか?

私は高校3年生頃から少しずつ読書を始めました。なので読んだ冊数はまだまだ少ないのですが、その中でもミステリー小説の魅力に惹かれて好きになりました。

そのため私が読んで印象に残ったミステリー小説について解説しようと思います!

(本当はこの記事で好きな小説全般について解説しようと思いましたが、ミステリー好きゆえに殆どミステリー小説しか読んでいないことに気付きましたw)

有名な作品もあるので「もう読んでいるよ!」と感じるかもしれませんがミステリー小説を詳しく知らない人もいるはずなのでそのような人にも魅力を伝えられたら幸いです。

ラブ・ケミストリー

1つ目は喜多喜久さんが書いた小説の「ラブ・ケミストリー」です!実はこの本、私が読書習慣を付けようと思った高校3年時、1番最初に読んだミステリー小説です。そのため思い入れがあります。

私が最初にこれを選んだ理由としては、理系の道を進むことになった自分は理系の世界観に入り込みやすいと考えたためです。著者の喜多喜久さんは自分の経験を通して理系大学院生の日常というものをこの小説に記しているので、

大学だとこんな感じで研究したり、色々な人と絡んだりするのかな

など思いながら読み進めることができたので「理系の世界観に入り込みやすいと考えた」というのは正解だったと感じています。理系なので化学の話は興味深いですし。

因みに化学を全く知らない人でも問題無く読めますのでご安心を!私は読んだのがかなり前なのでしっかり覚えている訳ではないですが、実験の具体的な内容とかはストーリーに大きく絡んだりはしませんでした。人々の感想等を見ても理系の専門用語が難しい、といった意見は特に見かけません。

ミステリー小説とは書きましたが、より具体的に記すとミステリー×ラブコメ×ファンタジーという感じです。カロンという死神が出てきたり、主人公の藤村が現実ではあり得ない超能力を持っているといった点がファンタジー要素となっています。

今作のミステリー要素は「藤村の特殊能力復活をカロンに依頼したのは誰か」という部分です。これについて私は予想できませんでした…私は途中から思考ロックしていました。ミスリード要員も2人以上いますし。

「最後まで分からなかったため驚いた」という人も居ましたが、「途中でピンと来た」という人もレビューなどを見る限り結構居ましたね。私は思考ロックしていなければ”あの場面”で

あれ、もしかして…?

とピンと来たかもしれません。依頼主の正体は予想できなかったけれど、伏線はちゃんとあったので納得でした。

結末についてですが、私は「あ、そういう終わり方なんだ?」と感じた記憶があります。実際、人によっては突拍子に感じるらしいですが、形式的にはハッピーエンドの部類に入ります。なので後味悪い終わり方が苦手という人でもその辺りは問題なく読めると思います。

猫色ケミストリー

2つ目は同じく喜多喜久さんが書いた小説の「猫色ケミストリー」です!ラブ・ケミストリーがきっかけで喜多喜久さんの作品に興味が出て、この作品を読み始めました。

ラブ・ケミストリー同様に、陰キャ理系大学院生の日常を描いた作品です。そしてミステリー×ラブコメ×ファンタジーなのも同様。「覚醒剤の違法な合成を行っているのは誰か」という事件を解決するために主人公の菊池と辻森が行動していくのでラブ・ケミストリーよりもミステリー色が強くなったと個人的には感じました。

最大の特徴は菊池、辻森、猫の2人&1匹で入れ替わりが起こることです。「君の名は。」をはじめ、入れ替わりする作品はあっても猫まで巻き込んでいるのはかなり珍しいのではないでしょうか。

但しこの入れ替わりについては作中でそこまで重視されていません。入れ替わりの原因や戻る方法といったものは割と簡潔に済まされ、あくまで「入れ替わりの要素もある小説」といった立ち位置です。個人的には別人になったことによるパニックや周囲の人が異変に気付くなどといった要素があったらもっと面白くなったような気もしました。

でも猫ちゃんは癒やしだったね。猫好きホイホイ

今作の犯人については私は結構簡単に予想できました。とある場面で私の中では一気に黒になりました。

ただ動機、考えなどはさっぱりだった(というか予想しようとしていなかった)のでむしろ犯人が誰かというよりそっちの方が興味深かったです。犯人が“あの人”と同一人物だったのが1番びっくりしました。さりげない1シーンが伏線としてしっかり本編に絡むような展開は私の大好物です!

「人によって好みが分かれるものの、ハッピーエンドの部類」というのはラブ・ケミストリーと共通しています。私としては菊池と辻森の「友達以上、恋人未満」といった関係がより明確になった感じがして悪くない終わり方だと思います。

容疑者Xの献身

3つ目は言わずと知れた東野圭吾さんの有名作、「容疑者Xの献身」です!映画化もされていますし知っている人は多そうですが、東野圭吾さんの作品では1番最初に読んだ上にとても興味津々に読み進めた思い出があるので紹介させていただきます。

所謂ガリレオシリーズの1つなのですが、「探偵ガリレオ」などのような短編小説集と違い長編作となっています。私は1つの事件を1冊で深く扱う作品の方が好きなので、その意味でも今作は相性が良かったです。

今作はどのような事件が起こったのか分かった上で進んでいく展開なのが特徴となっています。他にもこのような展開の作品はあるかもしれませんが、私は初めてだったので、

お、このまま警察から逃げ切れるか?どうなるんだ!?

と、まるでスポーツ観戦を見守るかのように熱中して読み進めていった記憶があります(笑)。

でも読み進めていくにつれて「何かおかしくない…?」とぼんやりした違和感を抱くようになってきます。「これはきっと文章で書かれていること以外にも何か秘密がある!」とますます気になって読み進める手が止まりませんでした。

そして真相は驚愕という2文字が大変しっくりきます。真相に衝撃を受けた読者多数。主人公が容疑者サイドに立つという時点で斬新な展開なのに、更に驚くこと間違いなし。2人の天才教授が絡むからこそ、トリックや推理もより知能的で面白くなっています。

今作は人間臭さが全面的に出た話だなと感じました。そして恋愛要素もあります。登場人物の心情描写が丁寧に描かれていて、主人公の石神や靖子に強く寄り添った状態で読みたくなります。そして結末は「もっと良い結末があったはずなのに…」と思わずにはいられない展開です。

(以下ネタバレ込みの個人的感想)

石神が靖子にあそこまで協力した理由として恋以外に何かあったらもっと良かったような気がしました。富樫は確かに人間的にアレな人物ですけれど、だからといって靖子のアリバイ作りに協力するために何の接点もない人を巻き込むのはちょっとどうなの…?と感じてしまいました。

最後に靖子が自首するシーンについても、私が心が汚い人間だからか「せっかく石神があなたのために尽くし続けてきたのだから自首しなければ良かったのに」と感じてしまいました。だってあの場面で自首したら自分や娘は勿論のこと、石神のためにもならないですよね。

とはいえあそこで自首するような心優しい人間だからこそ、石神も恋に落ちたと捉えることもできるかもしれません。色々と考えさせられるストーリーですね。

(ネタバレ多め感想はここまで)

「容疑者Xの献身」というタイトルも秀逸。タイトルだけの状態だと意味が分からないけれど、しっかり読んだ後は意味に気付く。こういうおしゃれなタイトルセンスに私は憧れますね。

マスカレード・ホテル

4つ目は同じく東野圭吾さんの作品である「マスカレード・ホテル」です!これも映画化されましたし有名な作品の1つではないでしょうか。

今までの連続殺人事件から第4の殺人事件は「ホテル・コルテシア東京」で起こると予想されていて、その事件を防ぐために刑事の新田がフロントクラークの尚美と共にホテルスタッフに扮することになるという物語です。

人を疑うことを仕事とする刑事と思いやりが第一のフロントクラークという、ある意味正反対の職業である2人。お互いの仕事へのプライドやプロフェッショナル心といったものをひしひしと感じることができて、大学生だった私は「仕事する様がかっこいいなあ」と純粋に尊敬する眼差しで読み進めていました。仕事について触れてみたい人には結構良い作品だと思います。

刑事の癖が抜けない新田が尚美のおかげもあってホテルマンとして成長していく様も見所となっています。ただそういった仕事面の様子やホテル内で発生するお客様の細かいトラブルがストーリー前半では多く描写されているため、「事件を解決するミステリーを見たい!」と意気込んでいると少し退屈するかもしれません。

しかしストーリーが進めば進むほどミステリーとしての面白さは存分に出てくるので是非オススメしたいです!黒幕は計画をよく練り込んでいる上に頭も良いので物語の面白さにも深みが増していたように感じます。

そして対応してきたお客様とのトラブルが様々な形で手がかりになったり、伏線回収される様は秀逸です。黒幕についても唐突に出てきた訳ではなく、あらかじめ接点を作っておいたのが展開として良かったですね。実は怪しい要素を序盤から散りばめているのも、2周目の際に読むと気付けて面白いです。

それにしてもラストは文章だけにも関わらず、「新田!早く来て!」と思わずにはいられないほどその場面の緊張感が伝わってきました。それだけに新田がやって来た時は爽快気分でした。

「容疑者Xの献身」が後味の悪い結末なのに対し、こちらはかなりスッキリした気分で読み終えることができたのも○。

まあ何だかんだ後味悪い話も結構好きですけどね。ドラクエ7も後味悪い話多いけどシリーズの中でも結構好きな作品だし。

長編作であること、黒幕の頭の良さ、終盤のハラハラ展開、伏線回収などが相乗効果となって作品として綺麗にまとまっていたと感じます。

まとめ

私が読んできた中で印象的なミステリー小説を紹介しました。

他ジャンルの小説や小説以外の本も読むときがあるのですが、私はミステリー小説を読んでいるときが段違いで興奮しますし読む速度も速いです。

この中で読んだことのない作品があった人、ミステリー小説を読んだことないけれど読んでみたいと思っている人は是非読んでみてください。そしてミステリーの楽しさにどっぷりと浸かりましょう!

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