ドラクエ強キャラの性能改善案
ドラクエのキャラ性能というのは実に興味深いです。
以前、ドラクエで弱キャラとされているキャラはどのように性能を改善すればバランス良くなるかをまとめた記事を投稿しました。
ドラクエシリーズの「弱キャラ」を救いたい – ルルアリーのお気楽ブログ (mypaselife.com)
この記事は分析するのが個人的にかなり楽しくて、是非またこのような記事を書きたいと思いました。そのため、今回はその「逆」バージョンとなります。
強キャラはどのような性能にすれば戦闘における個性を残しつつ丁度良い使い心地になるのかを考えていきたいと思います。
誰が強キャラ認定なのかはある程度自分の独断も含みますが、兼ね皆様も同意見だと思うのでドラクエ好きの人達で是非この記事を楽しんでいってくださいな。
目次
DQ4~リメイクされようが性能格差は埋まらない~
弱キャラの記事の方でも書きましたが、DQ4は使えるキャラ・使えないキャラの格差がとにかく激しいです。ということは必然的に「強すぎる」キャラがいるという訳であり…
特技がないのに最強と名高いおてんば姫の存在感
本作は味方側がまだ特技を使えない作品にも関わらず(いや、だからこそなのか)、アリーナは「圧倒的なステータスの成長率」「驚異的な会心魔」という物理アタッカーとしてシンプルに恵まれた性能を持っています。恐らく殆どのプレイヤーがスタメンだったのではないでしょうか。
装備の貧弱さという点でライアンよりも打たれ弱いという立ち位置を強調したかったのでしょうが、HPは低くないのでそんなにすぐやられるイメージもないです。なのでHPをもう少し低くした方がバランス的には良かったのかも。クリフトやミネアあたりと同等くらいが丁度良いでしょうか。
あと本作は「素早さの半分が身の守りになる」という仕様もアリーナには追い風になっています。これを変えるだけでも大分変わるかと。そのせいでライアンはちゃんと装備を用意しないと打たれ弱いという謎な状況になっていますからね。
会心の一撃に関しては、元々運要素が絡む物なので修正する必要性は低いと考えています。DS版だと会心率も下げられていますしね。
勇者やライアンは何だかんだドラゴンキラーや奇跡の剣などを装備できるので火力の安定感があります。特に船入手直後に先回りして買い物するスタイルだと物理攻撃の頼もしさはアリーナを凌ぎます。
ネット上などで散々強キャラと言われまくっているアリーナですが、特技がない以上物理キャラは殴るしかないのである程度は致し方ない部分もあると思います。あとはもう少し打たれ弱いというネックを強めれば「紙耐久高速アタッカー」として丁度良い性能になるはずです。
あとクリフトも結構な強キャラですが、彼に関してはスクルトのチート性能を直せば大分マシになりそうです。そして弱キャラの方の記事でも書いたことですが、もう少し装備可能な武器を減らせばミネアと区別化できると思います。
全てがハイスペックな勇者
個人的に修正する必要があるキャラはアリーナよりも断然主人公です。いくら勇者だから、主人公だからとはいえステータスはバランス良いし、呪文も装備も充実しているしちょっと万能すぎる感があります。
クリア後に仲間になるピサロはそれを上回るとんでもない性能でライアンやブライが可哀想になる程ですが、まあアイツはそもそも仲間加入後そんなに使う機会もないので…
問題なのはギガデインとベホマズンです。本作はこの2つの呪文が非常に優遇されており、前者はイオナズン以上の威力の全体攻撃を消費MP15で打ててしまうし、ベホマズンはリメイク版では消費MP20で唱えられます。
元々本作の主人公は割とMPが高い部類なのでDQ3レベルとまでは言わなくても、もう少し消費MPを増やさないと呪文キャラの立場が無いです。特にギガデインはナンバリング作品で1番狂った強さだと思います。
あるいは呪文をここまで充実させるのであれば、物理攻撃の性能をもう少し落とすべき。HPはともかく力や装備できる武器はライアンとあまり差が無いので物理攻撃役としてもライアンの立場を食っています。
要するに、器用貧乏ならぬ器用富豪なんですよね。主人公は「勇者専用呪文」「天空装備のおかげでお金がかからない」という時点で大きなアドバンテージを得ているため、「消費MPを増やす」「力の差をもう少しライアンと付ける」くらいはしても良いと考えました。
DQ5~仲間モンスターシステムがある作品~
DQ5は仲間モンスターシステムを採用していることもあり、人間キャラはそこまで強いキャラはいません。
仲間モンスターは加入率の割に強い奴がいくつかいますが、詰み回避もありますし別に直す必要はないと思います。青年時代前半は人間キャラが殆ど主人公一人なのでピエールみたいなお手軽万能モンスターも少しはいた方が良いでしょう。
敢えて難点を挙げるのであれば…
ただ習得呪文という観点で行くとレックスはちょっと恵まれすぎ感が否めないです。デイン系は勇者の特権だから良いとしてスクルト、フバーハ、ベホマラー、ザオリクが使えてしまうので割と僧侶っぽいんですよね。
本作は主人公の習得呪文がイマイチで、雑魚戦でもボス戦でも基本打撃たまにベホマみたいな立ち回りになりがちです。スカラ、ザオラル止まりなのが半端感強いのでスクルトとザオリクはレックスではなく主人公が使えた方がバランスは良かった気がします。
ベホマラーも主人公が習得するのも良いですが、レックスがベホマズンを使えない関係上流石に主人公強すぎ状態になるのでそこまでする必要はないかと。
まあでも前作の主人公に比べてMPが低めになったのは良い判断だと思います。ギガデインも全体攻撃ではなくグループ攻撃だし、ベホマズンは覚えないので呪文キャラの立場をなくすこともないです。この辺りは運営側もちゃんと反省したのかなと思います。
ステータス的には「万能型だし専用装備があってお金がかからないが主人公やパワー系には一歩劣る」という感じなのでバランス面では悪くないと思います。レックスは習得呪文さえ1,2箇所ほど直せば問題ない性能になるかと。
DQ6~パワーファイターキャラの圧倒的存在感~
転職あり、特技ありでDQ5以前とは大きく異なる戦闘環境になっている本作。ただそれ故にステータスが半端なキャラは強みが無くなってしまったり、呪文の存在価値が薄くなったりと粗が少しある作品なのも事実な訳であり…
肉弾戦キャラがゴリゴリに優遇されるゲーム
DQ6経験者は誰しもがハッサンが強いと感じたのではないでしょうか。特技優遇のゲームバランスが上手いこと機能して一生スタメンでしたね。
第一、加入が早くてレベルアップも早くて職歴的にも有利な彼をパーティー随一の肉弾戦特化ステータスにさせたら後から加入する肉弾戦キャラは誰も勝てないですよ。
ドランゴという例外はいますが…彼女は加入時期の遅さと加入任意な点を除けばハッサン以上にバランスブレイカーな性能です。
ドランゴはあれだけ物理ステータスを高くするならばもっとMPを低くすれば良かったのにと思います。耐性に関してもダメージ系には強いが状態異常系には弱いとか、何かしら穴となる要素はあっても良かった。
個人的にハッサンはアモスともう少しステータス面で差別化ができたら良かったと思います。身の守りの値はアモスの方が上なのですが、身の守りだけでなくHPもアモスが上の方が「攻撃役」と「護衛役」として分けられたのではないかと。
あるいは装備できる物をもう少し減らすか。武闘家設定なのにステータスも装備も戦士っぽいんですよね。それこそアリーナみたいに装備は少ないけれどステータスはグングン伸びる早熟型にするのはどうでしょうか。元々HPが高いので耐性付き防具を減らしてもそこまで痛くはないはず。
あとはもう純粋に特技の仕様ですね。リメイク版DQ7では正拳突きや爆裂拳など一部の攻撃特技に消費MPが付くようになったのですが、それをDQ6にも導入した方が良いと考えました。
消費MPと言ってもたかが2とかですが、ハッサンはMPが低いので特技を使うかどうか躊躇う場面も出てくるはず。今後DQ6がリメイクされるこの案を採用しても良いのではないでしょうか。
DQ7~万能キャラの在り方を考えさせられる~
弱キャラの方の記事では「性能的にそこまで冷遇されているキャラはいない」と書きました。その逆も然りで、本作は転職システムを採用しつつも前作DQ6ほど強キャラが幅を利かせている訳ではありません。
実は本作の主人公は隠れ強キャラ
本作の主人公はナンバリング作品で1番ステータスが優れている説がちらほらあります。というのも他作品だとライアンとかハッサンみたいに大体肉弾戦に特化したキャラがいるのですが、本作ではその役割を主人公が担っています。
つまり「パーティーメンバーで1番HPと力が高い肉弾戦キャラでもあるし、主人公らしく他ステータスもバランス良く高い」という贅沢なステータスになっているわけです。
主人公がこのような性能なせいで他キャラが大分割を食っています。特にアイラはほぼ主人公の下位互換になってしまっています。それでもアイラはさほど弱いキャラではないことを踏まえると改めて主人公がハイスペックかが分かると思います。
本作のキャラの中だとアイラが1番戦えそうな風貌なのでHPや力は主人公よりアイラの方が上の方がバランスは取れたと思います。というか、あの村人Aみたいな風貌のくせに本作の主人公ってなんであんな強いんでしょうねw
物理も魔法もできる有能老人
あまり話題にならないですけど、何気にかなり強キャラなのがメルビンです。肉弾戦でも充分戦えるHP、力を持ちつつパーティーメンバーで最も高い身の守りとMPを持つという大分ヤバい性能です。
主人公と異なり「素早さが低い」というステータス面での明確な欠点はありますが、その反動でここまで他ステータスを上げる必要はあるのでしょうか。そもそも素早さって他ステータスほど重要度高くないし。
全体的にバランス良いステータスの主人公とメルビンが、物理最強ステとMP量トップを担っているせいで平凡ステのガボと純魔法キャラのマリベルが大分厳しい立ち位置になっています。この2人は装備も恵まれていないし。
弱キャラの方でも書きましたが、何でマリベルは典型的な魔法使い系キャラなのにMPがメルビンに負けているのか。マリベルとメルビンはMP値を逆にした方が個人的にしっくりきます。
あと一応老人キャラの性として(?)、主人公やアイラに比べると重装備はできないのですが、正直あまり気にしたことないです。欠点として用意された設定なのでしょうが、本作のガボやDQ4のブライレベルで装備ぺらっぺらじゃないと欠点にならないと思います。
そこまでしろとは言いませんが、もう少し装備可能な物を減らした方が良かったのではないかと。「物理も魔法もそこそここなせる」をこれで何とか強すぎない程度に調整できたら理想です。
DQ8~リメイクで壊れた仲間キャラ間のバランス~
DQ8は元々「勇者+戦士+魔法使い+僧侶」とバランス良いパーティーだったにも関わらず、リメイクされたことで強弱が浮き彫りになってしまったという哀れな作品です。全体的に評判の良いDQ8リメイクですが、この辺りは人によっては嫌悪感があるでしょうね。
ゲルダ強すぎ問題
色々なところでよく話題に挙がりますが、3DS版で新たに仲間に加わったゲルダはハッキリ言って強すぎます。
と言ってもステータス面では素早さが1番高い以外どれも微妙です。MPは並だし、HP・力・身の守りはいずれも最下位orブービーです。
裏を返せば本来ステータスって結構重要なのにその微妙さが気にならないレベルで強いと感じてしまうということなので、それはそれで大問題です。習得特技・呪文に恵まれた典型例と言えます。
キラージャグリングがPS2版の双竜打ちを思い出すぶっ壊れ火力なのでエースアタッカーとして大活躍。まだスキルポイントが溜まっていない段階でもゴールド投げがあるので500ダメージをガンガン与えられてしまいます。
それにも関わらずベホマ、精霊の舞、ピオリムなども使えてしまうという。DQ11のカミュみたいに火力特化にする代わりにサポートなどはできないくらいの性能に割り切った方が良かった気がします。ろくなサポートができないのに火力も微妙なヤンガスは泣いていい。
特技・呪文だけでなくパッシブスキルと専用装備にも恵まれていますね。HPは魔法使い系キャラであるゼシカを下回る値なのに、アウトロースキルのHPパッシブやチャイナドレスの存在によって欠点らしい欠点になっていないように思えます。
これらも要らない要素でしたね。高火力キャラは紙耐久の方が全体のバランスが取れるのは明らかです。補助・回復要素はヤンガスにいくつか渡してゲルダはガチガチのパワー系で良かった気がします。
本作のリメイクは双竜打ちを弱体化させたのはGJだったんですけどね。おかげでゼシカはPS2版ではこの強キャラ修正候補として解説すべきキャラの一人でしたが妥当な強さになりました。
他キャラもヤンガスが弱すぎる以外は割と妥当な強さだと思います。でも主人公の消費MP半減はなくて良かったかな。あれのせいでベホマズンをガンガン打ててしまうのはあかんでしょ。
DQ11~やっぱりバランス良い作品だなあ~
この手の話題になる度に言っている気がしますが、DQ11は仲間キャラがそれぞれ強みがあって使えないキャラがいないのが素晴らしいですね。なので「極端に強いキャラ」も他作品ほどいないです。
パーティーメンバー最強と名高い男
本作のキャラで最強は誰?という話になると名前が挙がりやすいのはカミュです。
理由は言わずもがな分身二刀流でのぶっ壊れ火力です。しかし分身をはじめとする手間や素のステータスの微妙さ、防具の弱さ、火力を出すためにどうするべきかをスキル割り振りでよく考える必要があったりとややトリッキーなキャラなのも事実です。
なので私としては「直すべき」とまでは思いませんが、物理最高火力の持ち主が武闘家系のマルティナや戦士系(どちらかと言えばパラディンだが)のグレイグではなく盗賊のカミュなのは違和感を抱いてしまいますね。
というかカミュの盗賊要素って「盗む」と「盗賊の鼻(Switch以降)」くらいしかないじゃないですか。DQ8であったオート盗む辺りは本作に導入しても良かった気がします。
カミュとマルティナはどちらもスピード系物理アタッカーという共通点がありますが、前者が物理一辺倒の最強アタッカーで後者が物理&非物理特技の万能アタッカーという違いがあります。個人的に逆の方がしっくりきたかもしれません。
マルティナは武闘家なのに終盤の方ではピンクサイクロンとサキュバスウインクばかり使っていた記憶があるし。これでは武闘家じゃなくてただの色気ばらまき姉ちゃんですよ。
マルティナは両手武器しか持てないから二刀流はいらないとして、分身はカミュではなくマルティナに習得させ、徹底した多段アタッカーキャラにするのも手ではないかと。
火力がとんでもないことになりそうですが、マルティナのMPがパーティーメンバーで1番低いという点をより強調させれば「ぶっ壊れ火力を出せるのはいざというときだけ」になんとかできそうです。
逆にカミュはギガスラッシュをはじめ物理に依存していない特技をいくつか覚えさせ、「マルティナほど火力はないが様々な戦い方ができてMP効率も比較的良いアタッカー」という立ち位置にします。個人的にはこっちの方が盗賊っぽいです。
他キャラはそこまで強すぎるキャラもいないのでこのままで良いと思います。
まとめ
ドラクエシリーズの強キャラを程良い性能かつ個性をなくさないためにはどうしたら良いかを考えました。
個人的に弱キャラ修正よりも改善案を出すのが難しかったですね。弱キャラは「こうしたら絶対使いやすくなるから直してあげたい!」と応援したくなるけれど、強キャラの性能を下げるのは何だか申し訳ない気持ちになるというか。
とはいえ記事を作成していて楽しかったです。やっぱりドラクエに関する記事のときは特にテンション上がります。
すぎやまさんも鳥山さんも亡き今、ドラゴンクエストというゲームがどこまで続くかは不明ですが今後も是非続いてほしいと思います。